世界22億人の視覚障害者をAIで支援する「Lookout」がアップデート

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Image Credit: Google

Googleは2018年に開催したI/O開発者会議にて、視覚障害を抱えるユーザーを手助けするアプリ「Lookout」のローンチを発表している。LookoutはAIを活用し物体やテキスト、人物などを識別する機能を提供する。

同アプリは今まで米国のみで、かつ対応言語は英語のみの対応だった。今回発表されたアップデートでは、新しく4つの言語(フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語)を追加し2GBのRAMを搭載したアンドロイド6.0以上のデバイスであれば問題なく動作するようになった。また、各モードを容易に切り替えできるUIの工夫も施された。

世界には推定22億人が視覚的障害を抱えていると言われている。視覚に難があることで、通常では容易と思われる情報の把握が難しい局面は多い。例えば建物の壁に貼られたメンテナンスを知らせるチラシ、真新しい食品に利用されている成分や材料をきちんと把握することも決して簡単ではない。

Google Lookout

Lookoutは、そうした障壁をスマートフォンが持つコンピュータービジョンアルゴリズムと音声機能を組み合わせることで解決することを目指す。Lookoutは「3時の方向に障害物がある」、といったようにユーザーを中心に指示を出すことが可能。これにより、プログラムが逆に混乱を生み出すことないようアプリ開発チームは心掛けているという。

新デザインのLookoutでは、今まで全画面表示だった撮影モード選択がアプリフッダーへ移動しスワイプで変更可能となった。また、新機能の一つに「Food Label(食品ラベル)」モードを追加し、バーコードに加えてラベルパッチから食品情報を読み取れるようになる。Googleによれば、想定される利用者にとってバーコードよりラベルを見つけ出すほうが用意であるとしている。利用者が上図にラベルやバーコードを見つけられない場合、「製品を反対側に傾けてみてください」のように音声での手助けにも対応する。

2つ目の新機能は「Quick read」。その名前の通り、封筒や手紙などのテキストを音声で読み上げてくれるというもの。撮影方向が逆向きでも問題なく動作する。

Google Lookout

また、米ドルを識別できる機能「Currency」も追加され、実際の額面を裏表関係なく伝えてくれる。これは、米ドル紙幣が触れるのみで識別することが出来ない設計となっているため非常に役立つことが想定される。

新しいLookoutは既にGoogle Playストアでリリースされ利用可能。Googleは今後、対応言語を増やすなどさらに改善を続けて行くという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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