友人とオンラインでサイクリング、Zwiftが4.5億ドル調達に成功

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Zwiftウェブサイト

ピックアップ:Cycling Startup Zwift Passes $1 Billion Value After Fund Raising

ニュースサマリー:オンライン・サイクリングサービスを提供する「Zwift」は9月16日、総額4億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドには、Amazon Alexa Fund、Specialized Bicycle、Zone 5 Venturesが新たに参加している。また、既存投資家のHighland Europe, Novator, Causeway Media and Trueも同ラウンドに参加した。同社はカリフォルニア州ロングビーチに本拠地を置くスタートアップ。在宅中でも、オンラインプラットフォームとリアルデバイスを組み合わせ、手軽にサイクリング体験ができるサービスを提供している。

話題のポイント:今回大型調達を発表したZwiftは、フィットネス体験をバーチャルとリアルを上手く結びつけアップデートを目指しています。ユーザーは、保有する自転車と自宅内で利用するためのアクセサリー(ストッパーなど)を用意します。その後、iPadなどの外部デバイスとスピードセンサーをペアリングすることで、簡単にオンライン上と繋がったサイクリング体験を味わうことができる、というものです。

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オンラインプラットフォーム上では、サービスに登録するグローバルなユーザーと繋がることができ、レースイベントへの参加や実際の友達などと、リアルタイムなオンライン上のサイクリング体験をすることも可能です。今までリアルの世界でしか物理的に叶わなかった遠く離れた友人とのサイクリング体験を、Zwiftはバーチャル上に持ってくることに成功しています。

さて、同様に自宅からフィットネスを楽しむ例ではPelotonが挙げられます。しかし、同社はライブ配信されるコーチを観ながら運動することを最大の売りとしており、Zwiftのサイクリング特化型オンラインコミュニティーとは大きく異なる性質です。筆者のシアトル自宅のジムにも、Pelotonに対応したサイクリングマシンが設置してありましたが、特に「オンラインコミュニティー」と意識したことはなく、普通に運動するよりトレーナーとリアルタイムに運動することができるマシーンという印象でした。そのため、Zwiftとは違う性質な両者といえますが、フィットネス体験とデジタルの接点を作り出しているという意味では似ています。

ZwiftやPeloton含め、フィットネスの世界でも仮想世界のアバターが交じり合うサービスは注目を集め出しています。特に米国のアパートメントでは、ジムなどのアメニティーの質を宣伝文句にしているケースも多いため、わざわざ自分でデバイスを用意せずともZwiftやPelotonに触れられる機会は加速度的に増えていくことが予想されます。COVID-19により、積極的な外出がままならない状況ですが、フィットネス体験にもリアルとバーチャルが交じり合うタイミングが訪れているのかもしれません。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

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