CES2021はバーチャル開催へ:CESを再考する/Gary Shapiro氏インタビュー(4/6)

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CES 2020
Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)

VentureBeat:後で見ることができるので、プログラムの重複はそれほど心配していないですか

Shapiro氏:人々は最新のニュースをライブで見たがっていますので、それは慎重に振り分けています。100時間以上のプログラムを予定していますが、2つのドローンセッションなど、同じもの2つを同時に行うことはありません。人々は初めてのものを見るという刺激を望んでいると思います。パネルディスカッションなどを扱っている理由から、多くのプログラムがライブではないかもしれません。でも一部は確実にライブで行うつもりです。

VentureBeat:ラスベガスにとっては残念なことでしょう。大きな打撃にちがいありません

Shapiro氏:今週2つの記者会見を行いました。1つはアジアと西海岸、もう1つはヨーロッパと米国の西海岸以外の地域向けでした。夜遅くに行われたアジア向け会見で、最も難しかったことは何かと聞かれました。回答は長くなりました。長すぎたかもしれません。しかし後になって思うのは、正直なところ、最も大変だったのはCESとともに今年が始まるのを待ち望んでいるラスベガスの人々でした。発表前、7月に行った決定はとても苦しいものでした。ラスベガスの人々の気持ちをお察しします。

地元の慈善団体への支援はまだ行っています。私たちはラスベガスの大手フードバンクへの貢献のほか、さまざまなサポートを試みてきました。CES 2021もまた違った楽しみがありますが、リアルイベントとして開催するCES 2022を楽しみにしています。人々と会い、この目で見ることを待ち望んでいます。私たちはまだマスクをしているかもしれませんが、きっと何らかの方法で実現できると確信しています。

VentureBeat:困難になる要因は他にもありましたか?この移行によって必要となった決断の中で、もっとも難しかったのはなんですか

Shapiro氏:経済的な打撃でしょうか。嘘をつくつもりはありません。私たちは支出をカットせざるを得ませんでした。スタッフを減らし、新しいスキルを学ばなければなりませんでした。CESを再考しなければなりませんでした。それはとてもよいエクササイズになり、今までに誰もしたことのないクールでエキサイティングな発想に辿り着きました。とても楽しみにしています。

でも私たちが得意とするのは大規模なリアルイベントのプロデュースで、これまで馴染んできた一定のリズムというものがあります。ちょうど、アハモーメントのようなものです。たとえば、ショーの日程変更。通常、8年先までショーの日程は決まっており変更は不可能です。ですが後5カ月というときに1週間ほど伸ばし、1月半ばへと変更しました。大部分が編集作業のためです。アップロードしなければならないものが大量にありますから。そのために休み明けにもう1週間、時間が必要だと思ったのです。

やり方が変わった部分がたくさんあります。一方、いつもならこの時期に気になっている多くのことが、今年は気になりません。ショーの後で、参加者、ジャーナリスト、出展者に調査を行おうと考えています。交通手段や宿について尋ねる必要はありません。これはとてつもなく大きなチャンスです。好意的なものが多くなるかもしれませんが、過大評価はしないつもりです。視聴者はただ家の中にいて、モニタの前にじっと座っているだけです。パネルディスカッションの時間を大幅に削る必要があります。通常は1時間が標準的ですが、今年は30分にしました。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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