SaaS管理プラットフォーム「NiceCloud」開発、シードラウンドで約1億円を調達——Coral、ANOBAKAなどから

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「NiceCloud」
Image credit: LBV

SaaS 管理プラットフォーム「NiceCloud」を運営する LBV は25日、シードラウンドで約1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、ANOBAKAと名前非開示の個人投資家。なお、調達額には、金融機関からのデットファイナンスが含まれる。

LBV は 「オートーク」開発の Regulus Technologies の創業者である伊藤翼氏が2020年12月に創業。なお、Regulus Technologies は2018年10月、ツナグ・ソリューションズ(東証:6551)に買収されイグジットしている。伊藤氏はキーマンクローズ期間を経て、今回、新たな事業の設立に至ったとみられる。

NiceCloud は、企業の SaaS アカウントや請求情報を一元管理できる SaaS 管理プラットフォームだ。どの従業員がどの SaaSを利用しているかわからない、アカウントの発行や削除が面倒といった課題が発生する中で、状況をダッシュボード上で把握し、アカウントの発行や削除等の面倒な業務を自動化できる。先月のαローンチ以降、数十社から事前登録を獲得しており、今年夏のβ版をリリースを目指す。

一部機能において、NiceCloud はこれまでに BRIDGE でも紹介している「Anyflow」や「YESOD(イエソド)」 、そのほか「Hexalink Hexabase」などにも似たものになるかもしれない。しかし、Anyflow はその名の通り、複数の SaaS を連携することでワークフローの効率化に力点を置いており、また、YESOD は情報ガバナンスを求められる会社がシステマティックにそれを実現することを狙っており、対して、NiceCloud は短期的には請求状況の可視化が強みになるだろう、というのが伊藤氏の説明だった。

LBV は当面、5〜10以上 SaaS を使い、50〜100人以上社員がいる企業をターゲットに置く。SaaS 管理の一元化・可視化によって効果を享受するには一定の規模が必要になるからだが、中長期的にはエンタープライズ利用も視野に入れる。また、さまざまな SaaS が乱立する中、将来は、それらを比較検討し SaaS プロバイダへ送客できるサービスを提供する可能性もあるとしている。

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