エレベータ広告事業を展開する東京、シリーズAで3.6億円を調達——三菱地所とXTech Vらから

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「東京エレビ GO」が設置されたエレベータロビー
Image credit: Tokyo

エレベーター向けのスマートディスプレイ/デジタルサイネージ事業を展開する東京は15日、シリーズ A ラウンドで3.6億円を調達したと発表した。三菱地所(東証:8802)がこのラウンドのリードインベスターを務め、XTech Ventures や複数のエンジェル投資家が参加した。XTech Ventures は、東京が2019年7月に実施したプレシリーズ A ラウンドに続くフォローオンとなる。

東京は、東京大学大学院で地球惑星科学を専攻、小惑星探査機「はやぶさ2」に関係する研究に携わっていた羅悠鴻(Youhong Luo)氏らによる創業。当時、通っていた大学の研究棟のエレベータに多くの貼り紙がしてあり、そこからエレベータ向けデジタルサイネージのビジネスに着手することになった。

当初は、個人オーナーや中小不動産会社が保有するような中小ビルを対象に「東京エレビ」を展開していた同社だが、この事業は昨年売却している。この事業を売却した理由について、Luo 氏は BRIDGE の取材に次のように語った。

サイネージに防犯カメラ機能をつけることで、ビルオーナーに金銭以外のメリットを訴求していたのが当初。50万円という金額はビルオーナーにとって負担は大きいと思ってそうしたが、大手のビル会社にとっては金額は大きな問題ではなく、結果として大きなビルにはつかなかった。

三菱地所とのジョイントベンチャーで展開する「エレシネマ」
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東京は、より市場の大きい方を狙うことにした。エレベーターのカゴの中ではなく、エレベータロビーにサイネージを展開する「東京エレビ GO」、そして、2019年末にはプロジェクタを使って昇降中のエレベータカゴ内に広告やコンテンツを投影する「エレシネマ」を三菱地所とジョイントベンチャー spacemotion を設立し展開することとなった。三菱地所は昨年発表した「長期経営計画2030」で、エレシネマをテクノロジーを使った新たなメディア事業と位置付けている。

また、オフィスビルを多数保有する REIT 法人なども、デジタルサイネージをオフィスビルにおける防災や BCP のツール、SDGs を意識した取り組みとして導入する事例が増えてきたという。東京ではこれまでに、東京エレビGO を東京都心部のオフィスビルを中心に合計600台以上設置しているが、今後、REIT 法人らと連携するなどして、今年12月末までに累計2,000台の設置を目指すとしている。

エレシネマも、東京エレビ GO も、そのオフィスに入っているテナントに営業したい、B 向けのサービスや SaaS の会社などが積極的に広告出稿してくれている。ビルではどういうテナントが入っているかがわかるので、広告を出稿すれば、どういう人に見てもらえるかがわかるからだ。今後は、屋外広告のアドアナティクスの仕組みづくりにも注力する。(Luo 氏)

東京が開発するアドアナリティクスのダッシュボード
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エレベータ広告が新聞広告の売上を抜いた中国では、この分野を扱うプラットフォームオペレータとして Focus Media(分衆伝媒)や Xinchao Media(新潮伝媒)が業績を伸ばしている。2018年、Alibaba(阿里巴巴)は Focus Media に14.3億米ドルを出資し6.62%の株式を取得、Baidu(百度)が Xianchao Media に21億人民元(約330億円)を出資した。オフィスビルのエレベータ広告で市場8割のシェアを持つ Tikin Media(梯影伝媒)は同じ年、シリーズ A+ ラウンドで1億2,000万人民元(約19億円)を調達している。

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