UNITE、インサイドセールスを短期間でプロセス化するサービスを事業化

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コロナ禍のテレワーク拡大から注目を集めるインサイドセールス。この分野では、「MiiTel」を開発するレブコムやベルフェイスといったスタートアップの評価が鰻登りだ。しかし、MiiTel や bellFace のようなツールを導入しても、その日からインサイドセールス環境が整うとは限らない。テレワークでは社員間の意思疎通も限られるし、経験や勘に頼った営業活動は機能しづらい。

UNITE 代表の上田啓太氏
Image credit: Unite

UNITE 代表の上田啓太氏は身をもって営業プロセスの必要性を痛感した一人だ。彼は新卒で入った会社でハードな営業活動に翻弄され、ある日、心労がたたって通勤に向かう地下鉄駅で気絶してしまう。体力・気力だけでは営業成績の向上に結びつかないことを悟った上田氏は、スマートキャンプの扉を叩いた。同社では、インサイドセールス代行「BALES」の開発や販売に従事した。

その後、別のスタートアップを1社経て、2018年に UNITE を設立。この会社で手掛けたのは、大企業からスタートアップまで大小さまざまな営業チームの改革だ。

売上を追いかけている人自らは、プロセスを見るのは難しい。そこで我々が外から入って現場を把握し、その最適解を提供する。これまでに20社以上やってみて、中には1年8ヶ月にわたって継続してもらっている会社もいるほど高い評価が得られた。

ポイントとなるのは、プロセスを作ることと、営業する人の流れ。誰がいつまでにどういう対応するのか、どういうスクリプトを喋るのか、現場の人と一緒に作って実行していく。(上田氏)

ただ、ここまでで見ると、今ひとつスタートアップ的ではない。既に事業は黒字化しているとのことなので需要はあるのだろうが、営業プロセスのコンサルティングを提供するファームは他にもあるし、売上を増やすためには顧客を増やす必要があり、顧客を増やすためにはコンサルタント(社員)を増やす必要があるので、スタートアップ的なスケーラビリティの可能性は見出しにくい。

そこで UNITE が今年から取り組み始めたのがインサイドセールスのプロセス化だ。業種や規模によって違いがあるかもしれないが、プロセス化の過程を何らかの形で標準化できたり、自動化できたりすれば、インサイドセールスする人々の養成システムでスケールできる可能性も広がる。

事業の解像度と、人の解像度が高い会社でないとインサイドセールスのプロセス化は成功しない。今年はいろんな企業のプロセス化をこなし、成功の可能性を一定以上に引き上げるということを通して、我々のサービスの再現性を高いものにしていきたい。(上田氏)

インサイドセールスのプロセス化が実現できれば、オンラインで販売可能な B 向け商材は、百戦錬磨の営業パーソンでなくても、極端な話、営業活動に従事した経験の無い学生でも良い成績を出せるかもしれない。インサイドセールスのバイブルやツールが揃ってきたところで、次はその実装をこのスタートアップが担おうとしている。

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