UTEC、最大500万円の支援金を提供する事業化支援プログラムを開始

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「UTEC Founders Program」
Image credit: UTEC

東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)は15日、自由応募型事業化支援プログラム「UTEC Founders Program (UFP)」において、事業化支援金を無償で提供する「Grant Track」の応募受付を開始した。UFP はサイエンス・テクノロジー系スタートアップを対象としていて、investment-ready な条件が整ったチームに最大1億円を出資する「Equity Track」と、最大500万円の資金を無償で供出する「Grant Track」で構成されている。

Equity Track については期限を定めず通年で応募が受け付けているが、Grand Track の第一期については6月15日から7月31日まで受付される。UFP を担当する UTEC プリンシパルの小林宏彰氏によると、Equity Track は投資行為にあたるため、これまでの UTEC の業務と同様通年での受付となるが、Grant Track は言わば寄付行為にあたるため、どの程度の応募件数があるか、ひいては審査にどの程度の時間を要するかが現時点では読めず、応募期間を限定して運用することにしたという。

先日、300億円超規模の5号ファンドの組成を発表させていただいた。以前に比べると、チケットサイズ(一社あたりの投資金額)も大きくなっている。

UTEC は大きいファンドになったので、小さなところはフォローしないのではとみられるかもしれない。でも実際にはそうではなく、アーリーステージから小さいところも手厚くフォローすることを明確に前面に出したのが、今回発表した「UFP」だ。

Equity Track の方は通年受付だが、アーリーの起業家の期待に応えられるよう迅速に動くことをモットーにしていて、ご相談の初回面談を終えてから1ヶ月以内に投資判断をし回答する。(小林氏)

UTEC では、これまでに Grant Track にのようなアーリー起業家への支援を実施してこなかったわけではない。「研究者・開発者はいるけど経営者がいない」というチームには、EIR(Entrepreneur in Residence)制度を活用して最初の経営者となる人物を探したり、事業化にあたって最初に必要になる特許申請の費用捻出や手続を代行したりしてきた。今回、UFP というプログラムの形として切り出した背景には、「ひょっとしたら、UTEC は敷居が高いと見られていたかもしれない」との誤解を払拭したい思いがあるようだ。

UTEC では現在、UFP に採択されたチームには出資や支援金供出、人材の支援以外にも、UTEC 投資先のクラウドサービスの無償利用、コワーキングスペースの無償利用などが提供できるよう、提供元と交渉しているそうだ。また、UFP 応募にあたって他のアクセラレータと並行して応募したり資金調達を模索することに制限はないが、Grant Track のチームが採択後に新たに VC から調達する際には「UTEC にも声をかけてほしい(小林氏)」とのことだった。その際には、出資の可能性についても検討したい、ということだろう。

UTEC では今後、半年間で Equity Track 5チーム、Grant Track 5チーム程度の採択を目指しており、その結果、今後2年間で Equity Track 20チーム、Grant Track 20チーム程度のスタートアップや起業チームの輩出を目標に据えている。

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