仮想通貨マイニングの取締強化、デジタル人民元の試験導入増など——中国ブロックチェーン界週間振り返り(6月9日〜6月15日)

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Image credit: TechNode/Xuewen Song

中国各省の地方政府は、5月に政府機関のトップがマイニング取り締まりのハイレベル協議を行った後、仮想通貨マイニングの取り締まりを続けている。今週、青海省、雲南省、新疆ウイグル自治区の地方政府は、内モンゴル自治区と四川省に続いて、新たな取り締まり政策を発表した。中国人民銀行前総裁の Zhou Xiaochuan(周小川)氏は、決済における仮想通貨の将来に悲観的な見方を示した。また、より多くの都市がデジタル人民元の使用を開始し、その中にはデジタル人民元とブロックチェーンを組み合わせた初の試みも含まれている。

仮想通貨マイニングの閉鎖が相次ぐ

  • 中国青海省の当局は、四川省や内モンゴル自治区の地方政府に続いて、仮想通貨マイニングの取り締まりを開始した。青海省の工業和信息化部(日本の経済産業省に相当)は6月9日、現在行われているすべてのマイニング事業の閉鎖、新規事業への許可証の発行停止、マイニング企業への電力などの支援の削減など、一連の規制を発表した。青海省のマイニング活動は、他の省に比べて比較的小規模である。新浪金融
  • 6月9日、中国西部の新疆ウイグル自治区の地域当局は、準東経済技術開発区にあるすべての仮想通貨マイニング企業に対し、同日午後2時までに閉鎖するよう命じた。同開発区には、化石燃料のエネルギーが豊富なため、中国最大級のビットコインマイニング施設がある。The Block
  • 雲南省は6月末までに省内のすべての仮想通貨マイニング事業を調査し、無許可の電力使用を含む違反行為を摘発すると当局が地元メディアに語った。同地域のエネルギー局は、6月12日に地元ニュースの噂を事実であると確認した。適切な許可を得ずに電気を使用していることが判明したマイニング会社は、操業停止を命じられる。科創板電報

仮想通貨の未来

中国人民銀行前総裁である Zhou Xiaochuan(周小川)氏は6月11日、「一部の仮想通貨は効率性が低く、分散化と規制緩和を重視するため、デジタル決済分野に参入する機会を失う可能性がある」と述べた。Zhou 氏は、上海政府や中国人民銀行などが主催する金融フォーラム「第13回陸家嘴フォーラム(第十三届陸家嘴論壇)」でコメントした。Zhou 氏は、中国のデジタル人民元プロジェクトのキーパーソンの一人としても広く知られている。Zhou 氏は、「仮想通貨の分野で主導的な役割を果たしている人々が手っ取り早く利益を得るために参加しているのであれば、それは仮想通貨をデジタル資産のようなものにしてしまうだけで、経済に役立つアプリケーションではなくなってしまう」と付け加えた。財聯社

ブロックチェーンにおける資金調達

中国の国家支援ブロックチェーン構想「Blockchain Services Network(BSN)」を構築した Red Date Technology(紅棗科技)は6月10日、さまざまなグローバル投資家との間で3,000万米ドルを調達するシリーズ A ラウンドを完了したと発表した。動点科技

デジタル人民元の試験導入が増加

中国の雄安新区(編注:河北省に2017年設置された国家級新区)の地元関係者は、政府が運営するブロックチェーンを利用した決済システム「Blockchain Fund Payment Platform(区塊鏈衆合支付平台)」を利用して、労働者にデジタル人民元で支払を行う試験を開始したと発表した。この試験は、中国人民銀行石家荘支店の支援を受けている。政府は、ブロックチェーンシステムでデジタル人民元の試験を行うのは初めてだと述べている。CoinDesk

中国のスマートフォン電子機器メーカー Xiaomi(小米)は12日、北京と上海の厳選された十数店舗でデジタル人民元での支払受付を開始すると発表した。この動きは、両市で行われているデジタル人民元の試験運用を受けてのものだ。小米之家

【via TechNode】 @technodechina

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