四川省のマイナーに退去勧告、各地でデジタル人民元の試験導入など——中国ブロックチェーン界週間振り返り(6月2日〜6月8日)

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200人民元をチャージしたデジタル人民元アプリ
Image credit: TechNode/Jiayi Shi

中国の規制当局は、仮想通貨関連の活動やマイニングの取り締まりを続けている。6月2日、四川省の規制当局は、仮想通貨マイニング企業に対し、9月の雨季終了後に同省から退去するよう指示した。その3日後には、マイクロブログサイト「Weibo(微博)」で、有名な仮想通貨アカウントが次々とブロックされた。一方、中国全土の政府関係者は、国が支援するデジタル人民元を宣伝するために無料でお金を配り、人々にデジタル人民元を採用するように説得しようとしている。

仮想通貨のマイニング

  • 情報筋が Technode(動点科技)に語ったところによると、中国四川省の規制当局は6月2日、同省の仮想通貨マイナーに対して、9月以降に事業を別の場所に移す計画を立てるように指示したという。四川省は内モンゴル自治区に続き、国内で2番目に仮想通貨マイニングを取り締まる主要な拠点となった。動点科技
  • Zhongke Shenglong(中科声龍)の名で知られる中国の企業は6日、Ethereum の新しいマイニングチップをリリースした。このマシンは、ハッシュレートが約65メガハッシュ/秒(MH/s)、消費電力が30ワットとなっている。ハッシュレートは、ブロックチェーンネットワークにおける計算能力の指標だ。北京に拠点を置くこの会社は2009年に設立され、仮想通貨マイニングの新参者だ。同社のウェブサイトによると、チームのコアメンバーは、中国の名門科学機関である中国科学院や清華大学での勤務経験があるという。Wu Blockchain

取り締まりの強化

  • 6月5日、中国のマイクロブログプラットフォーム「Weibo(微博)」で、少なくとも15人の有名な仮想通貨インフルエンサーがブロックされた。この措置は、中国が仮想通貨関連の活動を取り締まっている証拠だと考える人もいる。同プラットフォームは、これらのアカウントが「法令に違反している」と述べ、詳細は明らかにしなかった。この取り締まりは、トレーダー、メディア、マイナー、ウォレットなど、仮想通貨業界のさまざまな分野のアカウントを対象としている。Coindesk
  • 中国の元警察官のグループによって設立されたサイバーセキュリティ企業は、4日の WeChat(微博)の投稿で、中国が今後3ヶ月以内に、仮想通貨に関わる犯罪行為を定義する新しい法律を発行するかもしれないと予測した。この法律には、店頭での仮想通貨取引、プライベート、取引所外での取引活動を規制する特定のセクションが含まれるかもしれない。鏈審科技

ブロックチェーン開発

  • 8日、中国の2つのトップ政府機関が共同で、ブロックチェーン技術とアプリケーションへの支援を強化する指令を発表した。工業和信息化部(日本の経産省に相当)と中央網絡安全和信息化委員会弁公室(サイバースペース管理局)が発表したこの指令によると、政府は業界全体のコンソーシアム・ブロックチェーン、管理されたユーザーグループを持つセミプライベート・ブロックチェーンを設立し、一連の「リーディング・ブロックチェーン企業」と「トップ・ブロックチェーン製品」をインキュベートする計画だという。工業和信息化部
  • 中国のブロックチェーン企業 Nervos は、世界第6位の仮想通貨である Cardano と接続するためのクロスチェーンブリッジを構築している。このブリッジにより、人々は両チェーンのネイティブトークンを互換的に使用できるようになり、中国企業のユーザ数を大きく押し上げると同時に、Cardano の開発者は、DeFi(分散型金融)の成長分野を志向する Nervos の開発ツールにアクセスできるようになる。動点科技

デジタル人民元のさらなる推進

  • 北京と上海の市当局は6月5日、抽選でデジタル人民元を無料配布した。上海では初めての試みとなる。これらの配布は、中国の各都市で行われているデジタル人民元に関する全国的なプロモーションの一環だ。北京では4,000万人民元(約6.8億円)、上海では1,920万人民元(約3.3億円)が住民に提供された。移動支付網)
  • 中国の商業銀行トップ10に入る交通銀行が、海南支店の従業員に給与をデジタル人民元で支払ったと、地元メディアが6月4日に報じた。南部の深圳市にある中国のトップ銀行複数行は、昨年8月から一部の従業員を対象にデジタル人民元を試験的に導入している南国都市網
  • 東北部の沿岸都市である青島市は、デジタル人民元を市内の公共サービスに統合した最初の都市になることを望んでいる。青島市は、政府がデジタル人民元をテストするために選んだ11の都市の一つとして、通勤、買い物、観光チケットの購入などの日常生活でデジタル人民元を使用できるアプリを推進している。鏈聞)
  • 南西部の大都市である成都では、老人ホームのお年寄りにデジタル人民元の使い方を教えている。保険会社トップ10の泰康生命保険が運営する老齢介護施設「泰康之家」は、地域で初めてデジタル人民元を普及させた介護施設のひとつだ。中国メディアは6月2日に同施設を訪れ、高齢者がデジタル人民元で食事代を支払う様子を報じた。中国網

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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