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スマートドライブ17億円調達、「移動ビッグデータ」活用の新ビジネス目指し中国・深圳にラボ新設

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モビリティデータの解析プラットフォームを展開するスマートドライブは8月6日、第三者割当増資による総額17億円の資金調達を公表した。引受先となったのは産業革新機構、ゴールドマン・サックス、日本GLPの関連企業で物流分析を手がけるモノフル、鳴海の投資部門の2020の4社。払込日や出資比率などは公開されていない。 同社は今回の増資を機に物流業界への展開を強化するほか、コンシューマー向けに展開を開始した月…

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代表取締役の北川烈氏

モビリティデータの解析プラットフォームを展開するスマートドライブは8月6日、第三者割当増資による総額17億円の資金調達を公表した。引受先となったのは産業革新機構、ゴールドマン・サックス、日本GLPの関連企業で物流分析を手がけるモノフル、鳴海の投資部門の2020の4社。払込日や出資比率などは公開されていない。

同社は今回の増資を機に物流業界への展開を強化するほか、コンシューマー向けに展開を開始した月額制のコネクテッドカー・リース事業「SmartDrive Cars」の拠点拡大、マーケティング強化を進める。また、スマートドライブは研究開発部門として「SmartDrive Lab」を新設することも公表している。

今回、中国・深圳にモビリティ事業のR&Dセンターとして誕生したラボは、これまでスマートドライブが収集してきた車両移動に関するデータを活用した新たなサービス、ビジネスの研究開発拠点となる。

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今年開始したコンシューマー向けの新事業

スマートドライブの事業を簡単におさらいすると、車両データを各種デバイスで収集、解析するSmartDviveプラットフォームを中心にB2B事業の「SmartDrive Fleet(旧DriveOps)」とB2C事業の「SmartDrive Cars」に大きく分かれる。前者は主に物流や営業車などの移動効率化やコスト削減を実現するサービスで、後者はいわゆるカーリース事業になる。

両方ともモビリティによるビッグデータを活用して、例えば安全運転する人には保険が安くなったり、リースの残価が予測できるようになるなど、データに基づいたサービスを提供することが可能になる。

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プラットフォームで取得したデータは営業車両の移動効率化などに使われる

同社代表取締役の北川烈氏に改めて確認したが、車両から取れるデータはOBDⅡポートタイプで50種類ほど。特殊な整備用ポートを使うことから、現在はシガーソケットに差し込むBLEタイプが主流になっており、OBDⅡよりも取れるデータは少ないものの、これまでのプラットフォームのデータから燃費や運転傾向の予測が可能になっている。

新たに設置されたラボの狙いはこのビッグデータの新たな活用方法にある。

現在、前述の車両データ以外に、車載カメラやタイヤの空気圧データなどを取得できるデバイスを検討しており、これら新たなデータを追加することで、例えば空気圧チェックによるトラック事故の防止などに役立てることができるそうだ。北川氏の説明では、排気ガスの数値や物流重量、体積などのデータには注目しているという。

現在のスマートドライブの体制は50名ほど。7割が開発陣で、そのうち数名がこのラボにて研究開発に携わるという話だ。直近ではSmartDriveのプラットフォーム精度や処理の改善、他社との技術連携による画像解析やロボティクス技術、ブロックチェーン技術の活用などをテーマに研究開発を推進する。

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安全運転でガソリン代がタダになる?ーーコネクテッドカー定額利用の「SmartDrive Cars」本日からサービス申し込みを開始

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移動に関するビッグデータ解析プラットフォームを展開するスマートドライブは4月12日、月額定額で車を利用できるコネクテッドカーサービス「SmartDrive Cars」の申し込みを開始すると発表した。最短1年の契約から利用可能で、車種や契約期間に応じて定額料金の価格(参考例:NISSAN NOTE e-POWER 5年リースの場合で月額40,100円)が変動する。利用可能エリアは東京都、神奈川県、千…

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移動に関するビッグデータ解析プラットフォームを展開するスマートドライブは4月12日、月額定額で車を利用できるコネクテッドカーサービス「SmartDrive Cars」の申し込みを開始すると発表した。最短1年の契約から利用可能で、車種や契約期間に応じて定額料金の価格(参考例:NISSAN NOTE e-POWER 5年リースの場合で月額40,100円)が変動する。利用可能エリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県から。

利用できるのは軽自動車やワンボックスなど12車種で、ライフステージの変化に応じて最短1年で乗り換えが可能。また、月額費用の中にはカーナビやETC、メンテナンスといった基本装備や点検に加え、車検や自動車税、自賠責保険が含まれているため、定額費用以外の追加出費の範囲が任意保険やガソリン代など最小限に留められている。

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さらにスマートドライブ社ならではの特徴としてインターネット接続サービスが挙げられる。同社はこれまで主に法人向けにビッグデータとIoT機器を活用した車両効率化サービスを展開しており、SmartDrive Carsでもそのノウハウを活かした機能が提供される。例えばアクセルやブレーキなどの挙動から、安全運転の度合いに応じてAmazonギフト券などに交換できるポイントを付与したり、走行履歴や車検のスケジュールといった情報をスマートデバイスでいつでも確認できる機能が予定されている。

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アプリは開発中の画面

<参考記事>

1万台の車両ビッグデータがもたらしたのは「予測する力」ーースマートドライブが10億円の第三者割当増資を公表

ところでスマートドライブ代表取締役の北川烈氏に、近年増えている定額制の車両リースサービスやカーシェアなどとの違いについて訪ねた際、「移動のサービス化」という興味深いコンセプトについて説明してくれた。「保有」から「共有」へ資産の考え方が広がるなか、例えばUberのように移動も必要な時に必要な分だけを購入するという手法が登場しているのはご存知の通りだ。

一方で、Uberやタクシー、カーシェアだけだと効率の悪い場合もある。例えば地方であれば、毎日通勤にカーシェアを使ったのであれば当然割高になってしまう。かといって車を保有するほどの興味もない。そういった保有でも共有でもない、言わば中間層に対して最適なソリューションを検討した結果が今回のSmartDrive Cars、というわけだ。

ここで重要になるのがビッグデータになる。

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今回も実施されるが、ポイントをインセンティブに貸し出した車両から安全運転に必要なデータを取得することができれば、彼らはそれを別のビジネスに活用することができる。北川氏によれば、こうやって効果的に車両からデータを集めることで、将来的にガソリン代の負担も可能になるのではないか、という話もしていた。

移動手段としての車両を無料で配布し、そこで得られるデータでビジネスを拡大させる。これが100%でなくとも可能になれば、例えば使わない月は月額費用負担が軽くなったり、前述のようなインセンティブバックが現実のものになってくる。これが北川氏の頭の中にある「移動を可視化」することで実現できるシェアリングの世界観だった。

実際の利用が進み、描いているビジョンがサービスとして提供されるようになった際にはより他のサービスとの違いが明確になるだろう。またその際にお伝えしたいと思う。

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年間で2000万円削減事例も、車両データから業務効率を推進する「DriveOps」スマートドライブが正式公開

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コネクテッドカー関連サービスを提供するスマートドライブは9月1日、専用のデバイスとクラウドをつなぎ、車両状態管理から安全運転支援を可能にする「DriveOps」を正式公開したと発表した。 DriveOpsは車両の走行データの可視化、従業員への安全運転支援のほか、経費管理などの業務支援までをワンパッケージにしたクラウドサービス。日々の業務で車両を使うことの多い流通などの事業者が、燃料消費や業務効率を…

コネクテッドカー関連サービスを提供するスマートドライブは9月1日、専用のデバイスとクラウドをつなぎ、車両状態管理から安全運転支援を可能にする「DriveOps」を正式公開したと発表した。

DriveOpsは車両の走行データの可視化、従業員への安全運転支援のほか、経費管理などの業務支援までをワンパッケージにしたクラウドサービス。日々の業務で車両を使うことの多い流通などの事業者が、燃料消費や業務効率を改善することができる。

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車両からデータを取得するデバイスは従来のOBDポートに加え、車種に依存しないシガーソケットに設置するタイプも追加されている。データはBluetoothで専用アプリをインストールしたスマートフォンデバイスを通じて送信されるほか、3Gに直接接続できるタイプのデバイスも揃えられている。月額利用料は1台あたり月額1480円からで、1台につき1つのデータ通信用端末(数千円)を購入する必要がある。

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スマートドライブは2014年から整備用のOBDポートに通信デバイスを接続し、そこから得られる車両データでどのようなビジネスが可能か模索してきた。結果、その可能性は大きく拡大しているようだ。同社代表取締役の北川烈氏はコネクテッドカービジネスの広がりをこのように説明する。

「車両のデータを必要としているのは保険事業やディーラー、車両リース事業やアフターマーケットに半導体事業などです。こういった市場に対して車両のビッグデータをカスタマイズして提供していく、というのがスマートドライブのプラットフォーム構想ですね。例えばアクサダイレクト社とのテレマティクス保険はアプリ自体もアクサ社として提供されているので、完全に黒子です」(北川氏)。

車両から取れるデータは走行距離、急ブレーキの利用、速度超過やエンジンの故障情報、燃費など多種多様だ。これを各事業者が必要とする内容にカスタマイズして提供する。中でも幅広い需要が見込まれたのが今回提供を正式開始したDriveOps、というわけだ。

「例えば営業で車両を使うような事業者さんが従業員がどういう運転をしているかとか、移動距離や経路を測ってそれだったら公共交通機関を使って次の営業所で車を使ったほうが効率がいいとか(※ルート検索は開発中)そういう情報を提供するんです。(現状の情報提供で)100台規模の事業者で年間2000万円の経費を削減できた事例もでてきました」(北川氏)。

車両の稼働状況を知る術はなかったわけではない。ただ、従来のドライブレコーダーやデジタルタコメーターといった端末は工事が必要で更に数十万円と価格も高い。

北川氏の話ではやはり、大手コンビニや配送業などからの引き合いが多いそうで、今後は車載カメラなどを使って更に取れるデータ範囲を拡大させ、車両を中心に関わる人や事業の効率性を高めるクラウドサービスを目指すということだった。

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車の運転習慣をチェックできるアプリとデバイス「DriveOn」が、クラウドファンディングを開始

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 自動車向けのハードウェアやビッグデータ分析を提供する、日本のスタートアップであるスマートドライブは先ごろ、「DriveOn」のクラウドファンディングを開始した。DriveOn は、ユーザが運転習慣や運転スキルを記録し、スマートフォンでチェックできるモバイルアプリと OBD-II デバイスで構成される。 <関連記事> …

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

自動車向けのハードウェアやビッグデータ分析を提供する、日本のスタートアップであるスマートドライブは先ごろ、「DriveOn」のクラウドファンディングを開始した。DriveOn は、ユーザが運転習慣や運転スキルを記録し、スマートフォンでチェックできるモバイルアプリと OBD-II デバイスで構成される。

<関連記事>

モバイルアプリは BLE 経由で OBD-II デバイスと接続することで、スピード、車内外の温度、急ブレーキや急発進、アイドリングなどのデータ、さらにエンジンの状態に関する約50種の数値が取得可能。危険な運転や非効率な運転をしたとき、ドライバーに警告を発することができる。このようにして、DriveOn はドライバーがより安全に運転できるよう、運転スキルの改善を支援する。

スマートドライブは今後、保険会社、駐車場運営会社、車の修理工場、ガソリンスタンドなどとユーザを接続するメニューをアプリに追加する計画で、ビッグデータ分析の活用により、社会から交通渋滞や交通事故を減らすことを狙っている。

DriveOn は近い将来9,800円で入手できるようになるが、クラウドファンディング支援者は、サイバーエージェント(東証:4751)が展開するクラウドファンディングサイト Makuake 上で、早割料金の 3,000円 から予約注文することができる。

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DriveOn の OBD-II デバイス
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DriveOn のモバイルアプリ

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スマートドライブ、12月から数百台規模の実車を使った実証実験を開始へ

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車社会をビッグデータで変革しようというスタートアップ「スマートドライブ」がそろそろ大規模な実験を開始する。代表取締役の北川烈氏の話によると、12月頭頃から数百台規模の実車に彼らのデバイスを取り付け、実際に取得できる情報を元に各アライアンス先との具体的な連携に向けて走りだすという。本誌取材に回答してくれた。 また、9月26日に開示された情報ではあるが、スマートドライブが総務省がベンチャー企業による新…

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スマートドライブで取得した情報をアプリで解析、表示してくれる

車社会をビッグデータで変革しようというスタートアップ「スマートドライブ」がそろそろ大規模な実験を開始する。代表取締役の北川烈氏の話によると、12月頭頃から数百台規模の実車に彼らのデバイスを取り付け、実際に取得できる情報を元に各アライアンス先との具体的な連携に向けて走りだすという。本誌取材に回答してくれた。

また、9月26日に開示された情報ではあるが、スマートドライブが総務省がベンチャー企業による新事業の創出を支援する平成26年度I-Challenge!(ICTイノベーション創出チャレンジプログラム)の第1号案件として採択されたことも教えてくれた。

これに伴いスマートドライブは「自動車のOBD-IIとスマートフォンの連携を用いたテレマティクスデータ活用技術」事業においてセールスフォース・ドットコムを採択事業の幹事とし、総務省の「先進的情報通信技術実用化支援事業費補助金」として8000万円(平成26年度)の交付が決定されている。

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スマートドライブ代表取締役の北川烈氏

なお、スマートドライブで何ができるのか、という基本的な話題については以前のこの記事で書かせてもらった。ざっくりいうと、車の整備ポートに差し込んだ車両の健康管理アクセサリ、とでも言ったところだろうか。海外では車の保険会社と連携し、保険料金の引き下げなどの特典に使ったりするモデルが実証されている。

スマートドライブもやはりこの保険会社との連携がうまくワークしそうな状況らしい。

「端末自体は数千円ぐらいにまで価格帯を抑えることができたので、これをつけるだけで保険料が安くなる、というタイアップが現実にできそうな状況です。現在、サイトからの申し込みなどの数字と合わせて1000台ぐらいの規模で12月頃から実際の車に取り付けた運用実験ができそうな段階になりました」(北川氏)。

車の市場は新規販売よりもアフターマーケット(販売した後のビジネス)に徐々に重点が移りつつあるということも、彼らの動きに注目が集まる理由らしい。確かにもう新車を頻繁に乗り換えて楽しむ時代は過ぎ去ったのかもしれない。

少し不思議だったのは、やはりこの数人のメンバーでよくこの端末を作って、実証実験まで持っていった、という事実だ。北川氏によれば、メーカー側ももちろんこういったアフターマーケットを狙った開発の動きがあるということだったが、それよりも優先すべき事業が多いのだろう。

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車載するスマートドライブ端末

また車載実験については、車載端末に関する経験を持った優秀な人材が期間限定で手伝ってくれたこともあり、高いレベルでプロダクトを作り込めたのだそうだ。(蛇足かもしれないが、その人物は私たちの以前の記事をきっかけに参加してくれたそうだ)

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スマートドライブのチーム。これ以外にも外部でサポートするメンバーがいるそうだ

現在、もう少し大きめの構想として、スマートドライブをプラットフォーム化し、SDKとしてアプリが開発できるようなオープン化の考えもあるという。これについてはまた動き出したらお知らせしたいと思う。

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「車に付ける健康デバイス」スマートドライブが8月から実証実験を開始へ

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2月にお伝えしたステルス・スタートアップがお披露目の日を迎えた。 車載デバイスとスマートフォンアプリで「車ログ」を管理できる「スマートドライブ」は7月15日、提供サービスの概要を公開すると共に、8月から実際の車に装着して1カ月間の実証実験を開始すると発表した。今回同社が実証実験の地に選んだ「柏の葉スマートシティ」は三井不動産が中心となって開発を進める次世代都市地区。 実験は同地区に居住する約20名…

SmartDrive

2月にお伝えしたステルス・スタートアップがお披露目の日を迎えた。

車載デバイスとスマートフォンアプリで「車ログ」を管理できる「スマートドライブ」は7月15日、提供サービスの概要を公開すると共に、8月から実際の車に装着して1カ月間の実証実験を開始すると発表した。今回同社が実証実験の地に選んだ「柏の葉スマートシティ」は三井不動産が中心となって開発を進める次世代都市地区。

実験は同地区に居住する約20名を対象にスマートドライブの端末を提供し、期間中の車両状態や運転ログの確認を実施する。取得したデータはテストに参加した対象者に提供される他、スマートドライブの今後の開発改善に使用される予定。

車のログを管理する「健康管理アクセサリ」

さて、本題に入ろう。スマートドライブとは一体なんなのか。

使うのは専用の端末とスマートフォンアプリの二つだ。まず、提供される端末を車についている整備用ポート(OBD-II、以下、OBD)に差し込み、bluetoothによって「車とアプリ」を接続させる。このODBポートからは車に残されるデータ(走行状態や燃費、エンジン状態など)を取得することができるので、アプリ側でこれらを解析して表示させる。人間でいえば、FitbitやNikeのFuelbandのようなものと思えば分かりやすいかもしれない。

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このOBDポートを活用した端末やサービスは歴史も古く、元々車の整備士がメンテナンスをするために専用の端末を接続して使う、というところから始まっている。スマートフォンアプリやWifi、bluetoothなどの環境が整った背景からこれらが進化し、例えばY Combinator出身Automatic(2013年創業)や、サイバーエージェントが出資しているニューヨーク・スタートアップのDash Labs(2012年6月創業)などがやはり同様のスタートアップとして知られている。またkickstarterにもちらほら類似端末を見つけられる。

では次に、スマートドライブはこの端末を販売するだけのシンプルなビジネスモデルを考えているのだろうか。もちろんその答えは否だ。

車ログというビッグデータを活用したビジネス

ヒントはビッグデータにある。まだはっきりとこのモデルが決まっているわけではないが、ひとつのアイデアとしてスマートドライブ代表取締役の北川烈氏が教えてくれたのがBtoBtoCの考え方だった。

例えば保険会社や車のディーラーといった直接車に乗っているユーザーを対象にした事業者にこのサービスを提供し、ユーザーのログを取りやすくすれば、車の故障状況を把握して保険を安くしたり、アフターフォローに使うことができる。

つまり、顧客をより細やかにトラッキングできる、という具合だ。このモデルは実は事例もあって、米の保険会社ProgressiveがやはりOBDを使った「SnapShot」という端末を配布することで実際に運用をしている。

さらに多くの車のログデータが集まれば、このような形で様々なビジネスモデルを検討することができるようになるだろう。対象となる車も自家用車だけでなく、タクシーやトラックなどの商用車も含めて考えればアイデアの範囲は広い。

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話だけ聞けばなかなか興味深いサービスだと思うが、やはり壁は高い。例えば保険会社がこのモデルを踏襲して導入を進めるとして、まずはこの端末を幅広く導入してもらうためにも、安全性が担保されていなければならない。ハードウェア関連に詳しい(THE BRIDGEには記事も提供してもらっている)岡島康憲氏によれば、このポートを活用して車を止めてしまう操作も可能だという。

この点について北川氏はこのように説明してくれた。

「そもそもOBDのポートからは敢えて全ての情報(車を停止させるような操作系情報)を取らないように機能自体持たせていません。また、1000ぐらいのアラートが取れますが、それもアプリ側で10ぐらいに絞って表示させています。今後、サービスがアップデートされることで徐々に情報量を増やす予定です」

現在は製品化に向けて、耐久テストなどを重ねているというスマートドライブ。実際に稼働する時期にまた続報をお届けしたいと思う。

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ビッグデータとデバイスで車の未来を変える「スマートドライブ」ANRIに第三者割当増資を実施

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取材して興奮するスタートアップに出会う機会が増えた。ステルスで準備を進める彼らもそのひとつだ。 ビッグデータ解析と自動車向けハードウェアを開発するスマートドライブは2月18日、ANRIを割当先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額や払込日などの詳細は非公開だが、関係者の話によると数千万円程度の規模になるという。 スマートドライブ代表取締役の北川烈氏によれば、今回の資金調達で現在準備中のプロ…

SmartDrive

取材して興奮するスタートアップに出会う機会が増えた。ステルスで準備を進める彼らもそのひとつだ。

ビッグデータ解析と自動車向けハードウェアを開発するスマートドライブは2月18日、ANRIを割当先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額や払込日などの詳細は非公開だが、関係者の話によると数千万円程度の規模になるという。

スマートドライブ代表取締役の北川烈氏によれば、今回の資金調達で現在準備中のプロダクトに必要な開発陣、特にiOSのエンジニア強化を進めるという。

さあこの記事、書くのが大変難しい。なにせ彼らはステルスだ。

プロダクトについてもほとんどの情報が非開示になっている。それでも私は目にしたものを前に、興奮が止まらなかった。

彼らのような「新世代」のInternet of Things プレーヤー、古くは「ネット家電」と言われてきたカテゴリを理解するにはいくつかのポイントがある。

それが「ビッグデータ」と「コンテキスト」のふたつだ。この文脈で彼らを可能な限り紹介してみよう。

「交通」というビッグデータに着目したスタートアップ

まず、ステルス状態とはいっても彼らのプロダクトが全く分からないのでは話にならない。開示できる範囲でイメージだけお伝えしたい。

スマートドライブが提供するプロダクトはiOSと車載端末の組み合わせで提供される。その機器から得られる車の速度や向きといったデータを解析、アプリ上で表示して燃費向上やその他の提案に使おう、というものだ。

北川氏とは「テスラのダッシュボードの高機能版かな」と話したりしていたが、近からずとも遠からずといったところだろうか。プロダクトはとにかくお披露目の日までお楽しみにしておこう。


※参考素材:テスラモーターズ

そしてこの話題を語る際、避けて通れないのがNestだ。Googleが3000億円以上もはたいて購入したのはただのサーモスタットだけなのだろうか?

もちろん違う。

彼らが注目されたのは各家庭から取得できる温度などのビッグデータだ。この解析を進めればいつ、どこで暖房が必要か分かる。ここに潜むビジネスチャンスは燃料、機器類と幅広い。

この理屈に当てはめてスマートドライブをみれば彼らが狙う「車」のビッグデータはさらに魅力的に映る、というわけだ。

もちろんそんなに単純ではないだろうが。

代表の北川氏は現在24歳。慶応大学在籍時から国内ベンチャーでインターンを経験し、渡米。マサチューセッツ工科大学には交換留学プログラムがなかったために、直接交渉して授業を受けた強者だ。1年間の留学後には東大に進学して「理転」を果たす。

「元々興味があった分野が家電、バイオ、車と交通(人の動き)だったのでその中から交通を選びました。途中で今のビジネスを思いついたので研究内容もビジネスの内容にだいぶ寄せたんです」(北川氏)。

こうして北川氏は交通データという可能性に出会い、さらにその行動力で現在のスタートアップに必要な人材を集めることに成功している。

どのようなコンテキストをつくるか、それが勝負だ

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彼らが開発を進める車載デバイスはあくまでデータを取得するためのツールだ。北川氏に言わせれば、Googleがネット接続型の車を普及させる前に既存の車を「ネット化」させてしまうための方法なのだという。

ここで大切なのは集めたデータをどのような「ストーリー」に落とし込むかという点になる。ビッグデータというのはただ取得してもただの速度だったり方向だったりと「それそのもの」では意味をなさない。

つまりコンテキストの開発だ。ここからビジネスモデルを紐解かなければならない。もちろん彼らもここのアイデアをいくつも検討している。

まずはやはり渋滞などの交通課題の解消だ。彼らの特長として急ブレーキや車の回転数や方向からリアルタイムのデータを取ることで、GPSが効かなくても位置がわかるという点が挙げられる。従来型のVICSとはまた違ったデータから交通事情の課題解決に取り組むことができる。

また、運転状況を把握することで車が長持ちするかどうかもわかるようになる。こういう情報から例えば保険の提案をすることもアイデアのひとつだった。

これは取材中の雑談混じりの会話だが、今後、自動運転の世界が広がれば、車のウィンドウは全て画面になる未来がやってくるかもしれない。車はスマートフォンのような存在になり、そのインターフェースを使った可能性は多岐にわたる。なんとも楽しい近未来だ。

こういうデータから想像できるストーリーをいくつもアイデアとして考え、それらをアプリのインターフェースに落とし込んで作り込んでいるのが今、という状況だ。

ーーさて、冒頭申し上げた通り、彼らのプロダクトはまだその多くが非公開の状態にある。北川氏によれば、今年、可能な限り早い段階でのプロダクトリリースを目指したいとしていた。

ハードウェアが関連するスタートアップは量産などがあるため、単なるウェブサービスだけのプロジェクトよりもはるかに難易度が高い。

それでも彼らなら新しい世界を作ってくれるんじゃないか、そう思わせてくれる何かがあった。具体的に情報をお届けできるタイミングを待ちたい。

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