「もうひとつの地球」デジタルツインで挑む温暖化:Nvidiaと気候変動問題(1)

SHARE:
Nvidia’s Earth 2 digital twin goals unveiled at its 2021 GTC conference.
Image Credit: Nvidia

NvidiaのCEO、Jensen Huang氏は火曜日(訳註:原文掲載日は11月9日)に開催されたGPU Technology Conference(GTC)の基調講演で、世界を変える多くの技術を披露したが、最後に、世界を救うための約束もしている。

同氏は「私たちは気候変動をシミュレートし、予測するためのデジタルツインを構築する」と発言し、これを気候変動の影響を軽減する方法を解明するためのツールとして位置づけた上でその重要性をこう語った。

「この新しいスーパーコンピュータは、地球のデジタルツインであるE2(Earth 2)となり、Modulusが開発したAI物理学をOmniverseにて100万倍のスピードで実行します。E2を実現するためには、これまで私たちが発明してきた技術のすべてが必要になります。これ以上の重要なニュースは考えられませんね」。

デジタルツインで現実世界の改善モデルを作る

これはNvidiaが掲げる2021年の目標からさらにその向こうへの挑戦であり、最終的には科学的コンピューティングだけでなく、フルスタックコンピューティング企業への変革を目指すNvidiaの野望につながるものだと考えている。Huang氏は、Nvidiaが提唱するコネクテッド3DワールドのコンセプトであるOmniverseの説明に多くの時間を費やしたが、それが単なるデジタルな遊び場ではなく、現実世界の改善点をモデル化する場であることを明確にしたいと考えていた。彼は「Omniverseはゲームエンジンとは異なる。Omniverseはデータセンター規模、そして最終的には惑星規模になることを目指して作られている」と述べている。

Earth 2は、Nvidiaが6月に発表した1億ドル規模のスーパーコンピュータ「Cambridge-1」の次のステップを意味している。このスーパーコンピュータは、GSKとAstraZenecaが参加し、医薬品開発者や学術研究者とのパートナーシップのもとに開発されている。Huang氏は記者会見で、この新しいスーパーコンピュータはNvidiaが100%出資し、Omniverse環境でのシミュレーションに特化して設計されると語っている。他の企業や研究機関との協力関係については一切明らかにしていない。システムの設置場所やアーキテクチャなどの詳細は、後日明らかにされる予定だ。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する