アジアの総合格闘技興業ユニコーンOne Championship、リアリティショーやeスポーツにも進出

SHARE:
Image credit: One Championship

アジアの総合格闘技(MMA)プロモーターで、スポーツメディアを所有する One Championship は、1億5,000万米ドルの資金調達ラウンドをクローズした。カタール投資庁と、Guggenheim Partners の資産管理・投資顧問子会社 Guggenheim Investments がこのラウンドを共同リードした。

調達した資金により、シンガポールを拠点とする One Championship は、リアリティショーやライブファイト、e スポーツトーナメントなどのエンターテインメント事業など、提供するコンテンツの多様化を図ることができる。 アジア以外への拡大戦略の一環として、同社は、ライバルである Ultimate Fighting Championship の本拠地であるアメリカ市場への進出を視野に入れている。

One Championship は6月、Sequoia Capital、Iconiq Capital、Temasek から3億4,600万米ドルを調達したばかりだ。Financial Times は、この調達によって One Championship の評価額が10億米ドルに達したと報じている。VentureCap Insights のデータによると、Temasek と Sequoia が今月初め、1億7,900万米ドル相当のコンバーチブルノートを株式転換したと報じられている。

One Championship は、Group ONE Holdings が所有・運営し、ハーバード大学を卒業した起業家で生涯武道家の Chatri Sityodtong 氏が2011年に設立した会社だ。現在までに、150カ国以上、27億人以上の観客にスポーツ番組を放送してきたという。

リアリティーショー「The Apprentice」の出演者と、One Championship CEO の Chatri Sityodtong 氏(中央)
Image credit: One Chamipionship

One Championship は最近、新型コロナウイルスの感染拡大による逆風に対処するため、テレビのリアリティショーに進出、「The Apprentice」の第1シーズンの放映を開始した。また、2022年第1四半期に Netflix で「ONE Championship Edition」を配信した。

さらに、eスポーツにも進出している。今年初めに放送した「ONE E-sports Dota 2 Singapore Major」は、2億7,400万人の視聴者を集めた。同社は、ソーシャルメディア、アスリート関連のストーリー、NFT(非代替トークン)などのデジタルマーチャンダイジングを通じて、新しい視聴者を魅了する計画だ。

Bussiness Times によると、One Championship は今年、前年の8,350万米ドルの赤字から一転して、3億4,060万米ドルの黒字を計上したとのことだ。しかし、この現象は、2020年に設立された Group ONE のアメリカ子会社への知的財産権の売却による4億米ドルの収益が原因であるという。

Verified Market Research が最近発表したレポートによると、世界のスポーツオンラインライブビデオストリーミング市場規模は2020年に181億米ドルで、2028年には873億米ドルに達し、2021年から2028年の期間に CAGR(年平均成長率)は21.26%に達すると予測されている。

【via e27】 @E27co

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する