Webサイトに訪問した見込客に対話型営業ができる「Quicker」運営、ジャフコやXTech Vから3.2億円をプレシリーズA調達

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9seconds の皆さん。最左が創業者で代表の渡邊将太氏。
Image credit: 9seconds

B2B 企業の Web サイトを Web 営業・訪問者分析 SaaS「Quicker(クイッカー)」を提供する 9seconds は23日、プレシリーズ A ラウンドで3.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジャフコ グループ(東証:8595)、XTech Ventures。これは同社にとって、2021年にアプリコット・ベンチャーズ(当時。現在の mint)から3,000万円を調達したラウンド(シードラウンドと推定)に続くものだ。

9seconds は2020年4月、NTT ドコモ、freee、Dropbox Japan などで法人営業やセールスを経験してきた渡邊将太氏により創業。起業支援プログラム「Springboard」から輩出された。昨年開催された Incubate Camp 14th では、総合順位2位とベストグロース賞(メンタリングのビフォーとアフターでの成長度比較評価)2位の座を獲得した。

「Quicker」
Image credit: 9seconds

同社が提供する Quicker は B2B 企業が自社 Web サイトにコードを貼るだけで、conversational marketing を実現するプラットフォームだ。見込み客ユーザが自社サイトを訪れると、IP アドレスから類推した所属企業や、リピート訪問ユーザについてはクッキーを使うなどしてユーザ属性を即座に可視化。サイト訪問が担当営業などに伝えられ、見込み客はサイト上でチャットボックスを通じてコミュニケーションができたり、客に時間が無い場合などは改めてのコミュニケーション機会の設定ができたりする。

同社によれば、昨年8月のβ版ローンチ以降、ユーザ企業にとって Quicker 経由で発生した商談件数は500件以上に上っているという。なお、Quicker のユーザ企業数については明らかにされていない。

Incubate Camp 14th でピッチする渡邊将太氏
Image credit: Masaru Ikeda

Conversational Marketing の分野では、アメリカでは DriftQualified などが存在する。Drift は昨年、マーケティングに加え、セールスやサービスといった後続タッチポイントを一気通貫で提供するプラットフォームを発表、その後、Vista Equity Partners から資金調達を実施しユニコーンになった。Qualified はこれまでに、Salesforce Ventures、Norwest Venture Partners、Redpoint などから累積6,800万米ドルを調達している。

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