メタバース広告市場で活躍する「Admix」日本市場へ参入へ/GB Tech Trend

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本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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「メタバース」がバスワードになってから、デジタル空間で事業展開をするブランドが増えました。こういったブランド側の動きを見越してターゲティング広告を仕込む動向が見られるようになっています。その1つが今回紹介する「Admix」です。

Admixは開発者向けにUnityとUnrealのゲームエンジン用のSDKを提供し、「In-Play」ソリューションと呼ばれる切り口でメタバース関連市場における広告最適化サービスを提供しています。メタバース空間内の看板に広告の出稿を可能にする、というわけです。

Admixが目指すのは、ゲーム内広告をネイティブコンテンツとしてゲームの世界観と完全に同化させる世界観です。開発者がゲームの世界を構築する際、テクスチャを配置するツールのような手軽さで、広告をゲームの世界に統合することを狙っています。

UnityやUnrealの技術はAR・VR市場への応用も比較的容易に効くため、ARとの相性も高いでしょう。3D広告市場のプラットフォームを占有できるポテンシャルを秘めているのがAdmixだと言えます。

Admixは大阪メトロの駅構内や、施設の広告を扱う「大阪メトロ アドエラ」と3月30日に業務提携を発表しています。両社は2025年の大阪・関西万博の開催を見据え、現実世界と仮想世界の広告の融合を目指すそうです。リリース上ではARやMRの展開は明示されてはいませんが、Admixがメタバース空間内にも広告展開するイメージが湧いてきます。

Meta Questの新型も発表され、AppleやFacebookのグラス端末のリリースも控えていると言われています。冒頭で触れたように「メタバース」は世界中の企業が参入を目指す注目のトレンドになりました。

市場の実態は未だアーリーアダプター層しか関与していない印象が非常に強いですが、徐々にマス層を迎えるための過渡期へと向かいつつあると感じています。その動きは次の2、3年で加速するでしょう。Admixのモデルはメタバースやミラーワールド(AR・MR世界)に参加するユーザー数と比例して伸びる広告出稿プラットフォームです。現時点ではかなり先行しているイメージですが、どこまで成長し切れるのかに注目が集まります。

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