エコ意識高で売上5倍、パッケージの「shizai」がGB・ANRIから5億円調達

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shizaiが新しく提供している梱包サービス

ニュースサマリ:オリジナルパッケージサービスを提供するshizaiは6月8日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先になったのはグローバル・ブレインとANRIで、両社共に昨年4月に実施したシードラウンドからの継続参加となる。調達した資金は5億円で、これまでの累計調達額は6.2億円。株価などの詳細は公表していない。調達した資金で採用活動を進め、マーケティング投資にも充てる予定。

shizaiは近年増加傾向にあるD2C(ダイレクト・コンシューマー)ブランドなどを対象に、オリジナリティあるパッケージを提供する。段ボールなどの資材選定や調達・梱包などのオペレーションを管理するプラットフォームを構築。shizaiは提携する印刷工場や一次製造メーカーと消費財メーカーとの間に入り、パッケージに関するサプライチェーンを効率化することでかかるコストを平均で20%軽減させることに成功した。リリースから1年で一次製造に関するネットワークは500拠点以上に拡大し、取引事業者は300社を超え、売上規模は昨年対比で5倍に成長している。

話題のポイント:D2C市場の盛り上がりとSDGs /ESGに関する取り組みへの注目から成長が期待されていたのがshizaiの狙うパッケージ市場です。同社は今回の調達に合わせてビジョンの策定を実施し、「スタートアップとしての急成長(経済性)とサステナブル社会へのアプローチ(社会性)の二兎を追う組織」を目指すそうです。

shizai代表取締役の鈴木暢之さんにお話伺いましたが、ノンプロモーションで1年に300社から取引依頼が舞い込んだ背景はにはやはり、「エコ」意識の高まりが大きく影響していて、空気感の変化をひしひしと感じているというお話でした。

「お客さんは大小に関わらず明らかに(ESG/SDGs)意識は高くなっていると思います。少しでも地球に良いことをしたいと例えば箱もぴったりのサイズにしたいとか、よくあるプチプチ封筒は絶対嫌だとか、プラは紙にしたいという要望はたくさん受けまして、素材を新しく作るという話ではないんですけど、みなさんが手近なところからできることを必死に探していて、そこにちゃんとお応えすることが出来ているかなと思っています」(鈴木さん)。

ちなみにエコ対応したからといってコストにはまだまだ転嫁するメーカーは多くないそうです。大手でコスト余裕がある企業であれば小ロットの案件で2〜3割のパッケージコスト増を許してくれるケースがあるそうなのですが、それ以外はまだまだシビアだとか。

shizaiが提案する個性あふれるパッケージは1年でD2Cブランドなど300の事業者に受け入れられた

サービス自体の拡大やオペレーションでの変化については、パッケージのラインナップが拡大したことと、これまでは段ボールなどの資材を調達してパッケージを製造し、メーカーに納品するところまでだったところに加え、ロットに応じて梱包まで実施する「アッセンブリ」対応までできるようになったことが挙げられるそうです。

「ご要望がどんどん増えていって紙袋とか、化粧品のボトル容器みたいなものとか、包装材と加工器の両軸でどんどん商材のラインが広がっています。また、ビジネス的な変化で言うと、箱や容器の設計製造をメインでやっていたんですけど、作った後の商品をパッキングする工程をアッセンブリと言うんですけど、そこまでワンラインでやってもらえないかっていう依頼がいくつか出てきていて、ワンストップでできるようになっています」(鈴木さん)。

ビジネスケースも小さなブランドやスタートアップだけでなく、大手の引き合いも増えてきており、大手広告代理店の案件では10万ロット単位での受注で、従来からのコストを半額以下にできたそうです。鈴木さんは1年でクオリティやコストの見合いで十分納得できるレベルに引き上げられたことは自信になったとお話されていました。現在は10名足らずの体制ですが、調達した資金でマーケティングを踏むということで、最初はCS(カスタマーサクセス)など、来ている案件に対応するチームづくりを強化し、近く20名から30名体制にしていくとのことです。

環境意識の高まりから不要なパッケージがなくなる一方、D2Cブランドや個人の経済活動、クリエイターエコノミーなどの流れで小さいけど個性あるブランドの活躍はさらに拡大していくと予想しています。shizaiが単なるコストカットソリューションではなく、こういったトレンドに合ったビジョンを掲げている以上、まだまだ成長は続くのではないでしょうか。

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