コラボツール「Fabrie」が数億円を調達、Alipayがデジタル人民元網に参加など——中国スタートアップシーン週間振り返り(12月12日~16日)

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「Fabrie」
Image credit: Fabrie

本稿は、Technode(動点科技)が、12月12日〜12月16日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Figmaのようなオンラインコラボレーションツール「Fabrie」、数億円をプレシリーズA+調達(12月16日)

中国のオンラインコラボレーションツール開発会社 Fabrie が、プレシリーズ A+ ラウンドで数千万人民元(数億円)を調達したと、中国メディア 36Kr(36気)が16日に報じた。CDH Investments(鼎暉投資)と Sequoia Capital China(紅杉資本)がこのラウンドをリードし、Volcanics Venture(火山石資本)と BAI Capital(BAI 資本)も参加した。Volcanics Venture、BAI Capital、Sequoia Capital China は3月にも、数千万人民元(数億円)のプレシリーズ A ラウンドに参加している。

2021年に設立された同社は、グローバルなデザイナー向けに、シートやチーム管理機能を備えたホワイトボードプラットフォームに注力している。国際的にトップのオンラインデザインプラットフォーム「Figma」が、ドローンメーカーの DJI(大疆)など特定の中国企業によるサービスへのアクセスを禁止し始めて以来、Fabrie や MasterGo といった中国の国産代替企業が、市場のギャップを埋めるために参加しようとしている。36気

アメリカ、中国企業36社を貿易ブラックリストに追加(12月16日)

アメリカは16日、中国のストレージチップメーカー大手 YMTC(長江存儲科技)を含む中国企業36社を取引ブラックリストに追加し、アメリカの技術から事実上遮断することを明らかにした。追加された企業の大半は AI チップの研究開発、製造、販売に携わっている。さらに、25社の中国企業が監査され、アメリカの未確認リストから削除された。

アメリカ商務省産業安全保障局(BIS)からの通知は、ブラックリストに追加された企業が「中国の軍事的近代化を支援するためのアメリカ産の品目」を取得、または取得しようとしたと主張し、この活動は「アメリカの国家安全保障と外交政策の利益に反する」とみなしている。

YMTC とその日本法人に加え、中国のチップ製造装置ベンダー Shanghai Micro Electronics Equipment(上海微電子装備)もブラックリストに追加された。アメリカ商務省の産業安全保障次官 Alan Estevez 氏は15日、声明で次のように述べた。

我々は今日、10月に取った行動をもとに、人工知能や高度なコンピューティングなど、強力な市販技術を軍事的近代化や人権侵害に活用する中国の能力を厳しく制限し、アメリカの国家安全を守る。

中国当局はこれに対し、アメリカが頻繁に中国企業を企業リストに追加しているため、両国間の正常な貿易が妨げられ、市場のルールに違反していると指摘した。中国の貿易当局は、アメリカの動きに対し、現地企業や組織の法的権利を保護するために必要な措置を講じる予定だと述べた。アメリカ商務省産業安全保障局

Alipay(支付宝)、デジタル人民元ネットワークに参加(12月14日)

Alibaba(阿里巴巴)のフィンテック部門 Ant Group(螞蟻集団)のチーフ・コンプライアンス・オフィサー Li Chen(李臣)氏は、Alipay が人民元処理ネットワークに参加し、中国の国家デジタル通貨をサポートする最初の決済プラットフォームとなったと、12日にデジタル取引フォーラムで発表した。

中国のデジタル人民元試験エリアの Alipay ユーザは、e コマースサイト「Taobao (淘宝)」、フードデリバリサービスの「Ele.me(餓了麼)」、食料品チェーンの「Freshippo(盒馬鮮生)」など、Alibaba 系列のプラットフォームでデジタル通貨を利用できるようになる。

中国銀行が発表した最新データによると、2019年12月にデジタル通貨構想が始まって以来、デジタル人民元の累積取引量は1,000億人民元を超えた。デジタル人民元を、同国のデジタル決済市場を支配する WeChat Pay(WeChat Pay(微信支付))や Alipay の競合とみなす向きもあるが、中国銀行はそうした主張に公然と反論している。デジタル人民元は今年初め、WeChat Pay の支払手段となった。上海証券報

bilibili(嗶哩嗶哩)」で、アニメ「三体」の再生回数が1.2億回を突破(12月12日)

動画プラットフォーム「bilibili(嗶哩嗶哩)」のアニメ「三体」シリーズは、ヒューゴー賞を受賞した劉慈欣氏のSF三部作「地球の過去への追憶」をアニメ化したものだ。10日に最初の2エピソードが配信されてから2日間で、bilibili で再生回数が1億2,000万回を記録したそうだ。ただし、この数字には番組の予告編の再生回数も含まれている。

2019年に初めて発表されたこの映画化プロジェクトは、bilibili が主導し、版権元の The Three-Body Universe(三体宇宙)と中国の中国の注目すべきアニメスタジオ YHKT Entertainment(武漢芸書開天文化伝播)がサポートした。視聴者が時空を飛び越えたストーリーを理解するのを助けるために、bilibili 番組と同時に Wikiを立ち上げ、一連の情報ボックスで背景や特定のプロットの詳細について説明している。

中国メディアの The Cover によると、中国で最も注目されている SF の1つである三体は、2,900万部以上売れたという。Netflix と Tencent Video(騰訊視頻)も Liu 氏の三部作の映画化に取り組んでおり、前者は「Game of Thrones」のショーランナー David Benioff 氏と D.B. Weiss 氏が率いている。先週末のローンチ前に最近でアニメ化されたのは、2014年に初めてローンチした「The Three-Body Problem in Minecraft」だ。この番組は bilibili で大きな成功を収め、2020年に公開された第3シーズンは10点満点中9.9点の視聴率と9,300万回の再生回数を獲得した。動点科技

Alibaba(阿里巴巴)、Lazadaに3億4,250万米ドルを出資——今年3度目の出資(12月12日)

東南アジアの e コマースプラットフォーム「Lazada」は、親会社 Alibaba(阿里巴巴)から3億4,250万米ドルの出資を受けた。これは、今年3度目の追加出資となる。この投資により、Lazada の最新の評価額は113億米ドルに達したと DealStreetAsia は報じている。

杭州に拠点を置く Alibaba は今年、Lazada に16億米ドル以上を出資している。また、同プラットフォームは2022年に頻繁に人事異動が行われている。6月には、Alibaba CEO Daniel Zhang(張勇)氏の元アシスタント James Dong(董錚)氏がLazadaグループの CEO に就任した。Alibaba の第3四半期決算では、6〜9月期に Lazada への注文の伸びが鈍化し、注文毎の損失が前年同期比で25%縮小したことが明らかになった。DealStreetAsia

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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