香港政府がWeb3技術を開発支援、中国政府がChatGPT類似サービスに審査義務化——中国スタートアップシーン週間振り返り(4月10日~14日)

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SenseTime(商湯)が「SenseNova(日日新)」を披露。
Image credit: SenseTime(商湯)

本稿は、Technode(動点科技)が、4月10日〜4月14日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

香港政府、Web3 技術の開発を推進する姿勢を表明(4月13日)

市場のボラティリティが高さからアメリカで仮想通貨規制が強化されている中で、香港政府は今週初め Web3 協会を設立し、Web3 技術の開発を推進する姿勢を示した。この非営利団体の設立メンバーには、China Mobile(中国移動)、China Merchants Energy Shipping(招商局能源運輸)、Huawei(華為)、Hong Kong University of Science and Technology(香港科技大学)が名を連ねている。香港金融管理局の前最高経営責任者 Norman Chan 氏(陳徳霖)が、この組織の議長を務める。

香港政府高官の John Lee Ka Chiu(李家超)氏は、香港は Web3 イノベーションにおいて「あえてリーダーになる必要がある」と述べ、他の関係者は金融システムの安定と投資家保護のために適切な規制が必要であると強調した。香港は今年6月に仮想資産サービスプロバイダにライセンス制を導入する予定で、また、ステーブルコインの規制についても研究している。澎湃

ByteDance(字節跳動)の「Feishu(飛書)」、AI アシスタント機能の追加を発表(4月12日)

ByteDance(字節跳動)が11日に実施した公式発表によると、同社のオフィスソフトウェアプラットフォーム「Feishu(飛書、中国国外では Lark)」内で「My AI」と呼ばれる AI 搭載のアシスタントを開始する予定だ。

ローンチされる日はまだ発表されていないが、デモでは Feishu の AI アシスタントが会議のメモの要約、レポートの作成、コンテンツの最適化、リライトをユーザに支援する様子が紹介され、チャットボット以上の存在として、Microsoft の Office Copilot に近い位置づけにあることが示された。競合の Alibaba(阿里巴巴)も、Slack 的なアプリ「DingTalk(釘釘)」へ AI 機能の追加を急いでいると言われている。飛書

中国当局、ChatGPT 類似サービスにセキュリティ審査を義務化へ(4月12日)

中国のサイバースペース規制当局(国家互聯網信息弁公室)は11日、 AI が生成するコンテンツに関する規制案を発表した。これは、企業が AI 製品をリリースする前にセキュリティレビューを受けることを義務付けたものだ。当局の新ルール案は、ガイドラインによると、ジェネレーティブ AI 技術の「健全な発展と標準的な応用」を促進することを目的としている。

今回のリリース案は、中国のテック大手 Baidu(百度)と Alibaba(阿里巴巴)が、コンテンツを生成するためのさまざまな機能を紹介するChatGPT 的なチャットボットツールを最近実演したことを受けたものだ。これらのサービスはまだ一般に公開されていないが、他のいくつかの大手も同様のツールを近々公開すると予想されている。

規制当局は、AI 搭載製品が生成するコンテンツは社会主義の中核的価値観に沿ったものでなければならず、AI モデルの訓練に使用するデータは知的財産権を侵害してはならないと述べている。この提案は5月10日までパブリックコメントを受け付けており、今年中に発効する予定だ。国家互聯網信息弁公室

中国の AI 企業 SenseTime(商湯)、医療相談に乗る ChatGPT チャレンジャー「SenseNova(日日新)」を公開(4月11日)

中国の AI 企業 SenseTime(商湯)は10日、チャットボットツール、テキストから画像への変換、アバタービデオ生成などの大規模モデルシステム「SenseNova(日日新)」を発表した。同社 CEO の Xu Li(徐立)氏は、チャットボット「SenseChat(商量)」をリアルタイムで披露し、プロンプトに基いたストーリーテリング、コードライティング、医療アドバイスなどのデモを行った。

SenseChat は1,000億以上のパラメータを持ち、イメージジェネレーターとビジュアルモデルはそれぞれ10億と320億のパラメータを持つと、同社の共同設立者 Wang Xiaogang(王暁剛)氏は指摘した。これに対して ChatGPT は、1,750億のパラメータを有している。SenseTime は、AI を搭載した製品をまだ公開テストしておらず、今のところ政府や企業へのアクセスを控えている。これは、Baidu(百度)の「ERNIE Bot(文心一言)」や Alibabaの「Tongyi Qianwen(通義千問)」とは異なる戦略である。財新

Sogou(搜狗)創業者、AI スタートアップを設立し ChatGPT レースに参戦(4月11日)

検索エンジンを運営する Sogou(搜狗)の創業者 Wang Xiaochuan(王小川)氏は10日、新しい AI スタートアップ「Baichuan Zhineng(百川智能)」の設立を発表した。このスタートアップは、言語 AI のブレークスルーを活用して、検索、教育、医療における一般的な AI サービスを開発・提供することを目的としている。

Twitter 的なプラットフォーム「Weibo(微博)」に掲載された Wang 氏の声明によると、彼の AI スタートアップはすでに500億のパラメータを持つ大規模モデルのトレーニングを開始しており、順調な進展を見せているという。

同社が「年内に中国で最高の大規模モデルと破壊的な製品をリリースする」ことを目標に掲げている、と彼は付け加えた。声明によると、Baichuan Zhineng は5,000万米ドルのスタートアップ資金を確保し、今月末までにチームを50人に拡大する予定だという。王小川氏

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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