AIメディカルサービス、対策型胃内視鏡検診をクラウドでDX支援する「gastroBASE screening」をリリース #IVSPRWeek #IVS2023

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IVSのプレスセンターで会見したAI メディカルサービスの経営企画室室長、金井宏樹氏

#IVSPRWeek はスタートアップカンファレンス「#IVS2023」とプレスリリース配信サービスのPR TIMESが企画する「Startup!PR Week」参加企業による新製品情報。同社のプレスリリースはこちらから

ニュースサマリー:AI メディカルサービス(AIM)は、クラウドサービス「gastroBASE screening」をリリースした。AIMが内視鏡AI技術とクラウドを組み合わせることで、より効果的な検診プロセスを実現する取り組みの一環で、胃がん検診の一次検診と二次読影を支援し、医師の作業負担の軽減や検診の質の向上を実現する。

従来の胃がん検診では、医師の技量による検査のばらつきや二次読影医の負担、自治体によるアナログな運用による労力のかかり方など、さまざまな課題が存在していた。

gastroBASE screeningでは、検診情報や検査画像を安全にクラウド上で管理できる。検査用紙のやりとりやデータの受け渡し作業が不要となり、データの効率的な転送や紛失リスクの削減が期待できる。さらに、クラウドを利用することで、いつでもどこでも二次読影が可能になる。

gastroBASE screening の特徴は、内視鏡専門医である AIM 代表取締役CEO多田智裕氏の監修に基づき、現場の課題に対応したクラウドサービスとして設計されていることだ。使いやすい UI やブラウザでの実施が可能であり、専用回線や専用 PC は必要ない。また、高いセキュリティ水準も確保されている。将来的には AI による読影サポートも提供される予定だ。

AIM は2017年に設立された医療 AI スタートアップで、内視鏡医療の先端技術と世界最高水準のデータを活用して製品開発に取り組んでいる。CEO の多田氏は、東京大学医学部を卒業し、外科研修医として東京大学医学部附属病院での勤務経験を持ち、2005年に東京大学大学院医学系研究科の博士課程を修了後、「ただともひろ胃腸科肛門科」を開業している。

話題のポイント:内視鏡画像から正しく胃がんの症状の有無を判断するのは医師でも難しく、現状は見落としを防ぐため、検査医師と医師会からのベテラン医師でダブルチェックしています。AIM では、胃がんの9割の原因とされるピロリ菌の有無を鑑別する AI を開発し、AI と専門医によるダブルチェックで、症状の見落としをさらに防ぐ運用を提案しています。

今回リリースした gastroBASE screening が対象とするのは対策型胃内視鏡検診。対策型検診とは、「集団全体の死亡率減少を目的として実施するもの」で、公共的な予防対策として実施され、主に、地方自治体が地域の医師らと協力して実施しています。ここで課題となるのは、医師によって診断にばらつきが出ること。そして、二次読影する専門医の肉体的・時間的負担です。

対策型検診では二次読影することが求められており、検診の機会には、一般的に、検診会場に専門医が出向き、1回あたり数千枚(数千人分)の内視鏡画像を確認する必要があるため、長時間の拘束や多量の読影による過度の疲労などが問題になっていました。なにより、人がやることですから、読影する量が増えることで生じる見落としリスクは下げたいところです。

二次読影をクラウド経由で対応できるようにすることで、専門医は必ずしも物理的に検診会場に出向く必要がなくなります。例えば、二次読影を多数の専門医がリモートで手分けして行う、といった運用も可能になるでしょう。対策型検診は自治体が主体なので、住民サービス向上などの名目で自治体が費用を捻出できるかどうかが、こうした仕組みが普及する上でのカギになると思われます。

胃がん検出のための AI は、内視鏡画像から病変を検出する AI、撮影部位を認識する AI、撮影品質を管理する AI の3つの AI で構成され、このうち、病変を検出する AI は認証を受けて実装する必要があるそうです。この認証を受けて、GastroBASE screening にも近い将来、AI による読影サポートの機能が追加されることが期待されます。

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