マーケ強化ボット構築SaaS「KUZEN」運営、9.2億円でシリーズAをクローズ——累積調達額は12.5億円、ChatGPT事業強化

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「KUZEN」
Image credit: Concierge U

LINE を使ったチャットボットのノーコード構築 SaaS「KUZEN」を開発・運営するコンシェルジュは28日、シリーズ A ラウンドの 2nd クローズで4.7億円を調達したことを明らかにした。同社はシリーズ A ラウンドの 1st クローズ(2021年5月)で4.5億円を調達しており、シリーズ A ラウンドの全体での調達金額は9.2億円に達した。また、創業以来の累積調達額は12.5億円に達した。

シリーズ A ラウンドの 2nd クローズは、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)がリードし、INNOVATION HAYATE V Capital(イノベーション=東証:3970とハヤテインベストメント)が運営、NCB ベンチャーキャピタル(西日本フィナンシャルホールディングス=東証:7189の CVC)、ベクトル(東証:6058)が参加した。金額には金融機関からのデットが含まれる。

コンシェルジュは、CRM と API 連携できるボットの構築で企業の業務効率化やマーケティングを支援する KUZEN を提供している。累積導入社数は約400社。同社は当初、チャットボットツールの開発で事業を開始したが、チャットボット市場がレッドオーシャン化する中、昨年初めから KUZEN の開発に着手し、新規顧客獲得やローヤルカスタマー化できる仕組みで差別化を図っている。

コンシェルジュでは、今回調達した資金で、これまで取り組んできた KUZEN への ChatGPT 連携をさらに強化する模様だ。チャットボットを構築するには、ユーザの質問に対してボットが回答するための問答集を用意する必要があるため、導入には一定の時間が必要だったが、ChatGPT の導入によってボットが Web の情報を自動学習するため、企業ではサービス開始までの時間を短縮できる。

コンシェルジュでは KUZEN の ChatGPT 導入にあたり、プロンプトエンジニアリングにおいて、企業がプロンプト作成を行う際の支援を提供する。また、コンシェルジュの社内の業務効率化や生産性向上にも「ChatGPT」を活用する予定だ。今後、大企業とのPoCを進めながら、ChatGPT の実用化と、新サービスを通じて課題の解決と可能性の創造に貢献していくとしている。

この分野では、LINE を使ったマーケティングツールの競合としては、Maneql が提供する「L ステップ」、Micoworks の「MicoCloud」などがある。Micoworks はこれまでに ALL STAR SAAS FUND や Eight Roads Ventures Japan らの支援を受け、累積で26億円を調達している。

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