ボイスメッセージは、私たちの脳にとって最も自然なコミュニケーション方法だ。

Abehassera 氏は、ボイスメッセージングツール「Async」を開発した。Async は、Gmail や Outlook の音声対応版のようなもので、すべてが音声で配信され、ユーザは自分のボイスメールアドレスを持つことができる。Abehassera 氏は、これが短時間の会議に取って代わり、労働者がより効率的な方法で議論できるようになることを期待している。

もう会議の時間を気にしなくていい

リモートミーティングは日常茶飯事だが、Abehassera 氏はその一部を WhatsApp を使ったボイスメッセージに置き換えることに慣れてきた。

Abehassera 氏は、ボイスメッセージが WhatsApp や Telegram のようなアプリでますます普及していることに気づいている。しかし、ビジネス環境ではまだ浸透していないのが実情だ。

e メールや Slack のメッセージは、会議の議題変更やスピーカーの選定など、ちょっとしたことを話し合うためだけのものだ。しかし、動画の準備やタイピングの時間は、議論そのものよりもはるかにコストがかかる。それが、Abehassera 氏が Async で解決しようとした問題だ。

音声と AI 書き起こしを組み合わせ

Async は e メールのようなものだ。登録すると、あなた専用のウェブサイトへのリンクが表示され、これは、返信やメッセージの送信、LinkedIn での共有、Google カレンダーのリンクにも使える。

音声メッセージの録音を開始すると、Async は自動的にそのメッセージを、Netflix の字幕のように、読みやすく検索可能な書き起こしに変換する。

さらに、各ボイスメッセージにはタイムスタンプが押されるため、ユーザはいつでも返信すべき重要な箇所をすぐに見つけることができる。なお、このソフトウェアが現在サポートしているのは15言語のみで、音声は5分の制限時間を超えることはできない。

誰もが音声メッセージを送るのは好きだが、長いメッセージを受け取るのは好きではないので、音声とテキストを組み合わせる必要がある。例えば、3分の音声メッセージに返信する場合、音声だけでなく書き起こしを残すこともできる。Abehassera 氏）

Async は現在無料で利用でき、有料機能は1つだけ——ユーザが自分のプロフィールリンクをカスタマイズできる機能——で、現在の価格は年間19米ドル（約2,700円）だ。

連続起業の経験から学び、次の Zoom を目指す

興味深いことに、Async は Abehassera 氏の最初のスタートアップではない。

Abehassera 氏は、2008年にビジネス目標の管理を改善するコンサルタント会社 Producteev で初めて起業し、同社は2013年に上場企業の Jive Software に買収された。その後、2017年にパートナーと電動歯ブラシのブランド「Willo」を共同設立し、Time の2020年のベスト発明の1つとして表彰された。それ以来、Abehassera 氏はエンジェル投資家としての役割も担っている。

その経験と成功にもかかわらず、Abehassera 氏は、消費者の習慣の変化が Async にとって最大の課題であったことを認めている。開発前の段階で、Abehassera 氏は2〜3年かけて顧客がどのように製品を使うかを観察し、顧客との対話を通じて体験を最適化し続けた。

ユダヤ教には、すべてのことには理由があり、遅かれ早かれ説明がつくという哲学がある。

Abehassera 氏は、スタートアップの経験はあるが、どの会社にもライフサイクルがあり、すべてが順調に成功したわけではないという。Abehassera 氏は、今回が最後の起業になるかもしれないが、今後の計画としては、5年以内に Async を Zoom のような会社にし、音声ソフトウェアをより幅広い顧客に提供できるようにすることだという。

【via Meet Global by Business Next（数位時代） 】 @meet_startup

【原文】