旅・宿のサブスク「HafH」が台湾に進出、150の現地ホテルが参加——Sanpu Travel Group(三普旅遊集団)と提携で

砂田憲治氏

日本のトラベルテックスタートアップ KabuK Styleが運営する「HafH」は17日、台湾でのサービス開始を発表した。月額利用料49.99米ドルを支払うと、200HafH コインが付与され、HafH 上の宿泊施設で利用することができる。

HafHは、平日も休日も宿泊料金は同じで、消費者が宿泊料金を気にする必要がないと強調している。現在、HafH は80,000人の登録ユーザを持ち、30カ国の2,000のホステルと提携している。

KabuK Style とは?

KabuK Style は2019年に設立され、創業者の砂田憲治氏はフィンテックと投資銀行での経歴を持つ。彼はもともと長崎でシェアオフィスを経営しており、サイドプロジェクトとして簡易宿泊所を提供していたが、それが観光・宿泊業界に携わるきっかけとなった。

CrunchBaseによると、KabuK Style の投資家には、NEC が出資するVC、凸版印刷、JR 西日本のVCなどが含まれ、合計13億円の資金を調達しているとされる。ただし、投資情報の一部は公開されておらず、砂田氏は資金調達総額は20億円になるはずだと指摘している。

また、KabuK Style は「日経NextユニコーンTOP100」に選ばれ、Financial Times からアジア太平洋地域で最も急成長しているスタートアップに選ばれた。砂田氏は、「コロナ禍に KabuK Style より急成長した旅行会社は聞いたことがない」と語り、KabuK Style の2022年の売上高は10億円で、2023年には3倍になる見込みであることを明らかにした。

「HafH」とその効果

HafH 台湾版

HafH は KabuK Style の主力商品で、定額制の宿泊サービスを提供する。消費者は HafH の月額利用料として49.99米ドルを支払い、支払うごとに 200HafH コインが付与され、HafH 上の30カ国にある2,000軒以上の宿泊施設で利用できる。

HafH の最大の強みは「安定した宿泊料金」で、ローシーズン、ハイシーズン、平日、休日を問わず、同じ部屋、同じタイプの部屋に必要なコインの量が変わらない(またはわずかに変動する)ことを強調している。

HafH の秘密は、宿泊数を多く獲得するためにホテル経営者と契約を結び、消費者がローシーズンやハイシーズンの価格変動に悩まされないよう、アルゴリズムによって価格設定を行うことでリスクバランスを取っていることだと、砂田氏は強調した。

しかし、HafH は 低価格を強調したいわけではないし、ハイシーズンに良い部屋が取れるとは限らない。消費者がホテルを選ぶ際に特定のホテルブランドを念頭に置いている場合、HafH は最良の選択ではないかもしれない。

HafH は、消費者がいつか使いたくなる HafH コインを毎月のサブスクで貯めることで、旅を促すことに重点を置いている。HafH では、旅行先さえ決まれば簡単に予約できるサービスを提供し、部屋の値段を心配する必要はない。さらに、HafH に長期間加入していれば、最大10%のさまざまな VIP 割引を享受できる。

日本では、HafH は航空や交通などのサービスにも商品を拡大し、HafH コインで旅行に必要なものをすべてカバーできるようにする予定だ。

台湾への進出

現在8万人の登録ユーザを抱える HafH は、今年初めに韓国に進出し、それから1年足らずで台湾市場に参入した。台湾では、KabuK Style が Sanpu Travel Group(三普旅遊集団)と提携し、Just Sleep(捷絲旅)、Shangri-La Far Eastern(遠東香格里拉)、Humble House(艾麗酒店)など150の現地ホテルが HafH に加入した。

台湾は常に日本の観光産業において重要な役割を果たしており、台湾人は2023年上半期には約180万人が日本を旅行した。日本の観光庁の調査によると、台湾人の78%が繰り返し日本を訪れるとのことだ。台湾で HafH を広めることに自信を深めている。(砂田氏)

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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