イーロン・マスク氏のNeuralink、Founders Fundなどから4,300万米ドルを調達——来年には11人が被験参加

SHARE:
Image credit: Neuralinki

Elon Musk(イーロン・マスク)氏の脳インプラント企業 Neuralink が、SEC(アメリカ証券等取引監視委員会)への提出書類により、4,300万米ドルを調達したことが明らかになった。TechCrunch によれば、この調達は、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏率いる Founders Fund がリードした前回の調達額を2億8,000万米ドルから3億2,300万米ドルに増額したもので、32人の投資家が参加した。Neuralink は、6月には評価額が約50億ドルに達したと報じられている。

Neuralink は、2016年に設立され、脳波を読み取る埋め込み型チップを開発している。彼らの技術は、極細の糸を脳内に埋め込み、情報を読み取る電極を含む特殊なチップに接続するもので、ワイヤレスであり、電極の数を増やすことができるとされている。Neuralink は FDA(アメリカ食品医薬品局)からヒト臨床試験の承認を取得し、治験機器適用除外のもとで初のヒト臨床試験を開始している。

https://twitter.com/neuralink/status/1727135227565547810

一方で、Neuralink は批評家からは有害な職場環境や非倫理的な研究慣行についての批判を浴びている。匿名の元従業員は「非難と恐怖の文化」を訴え、内部の対立が急ぐタイムラインと漸進的な科学のペースの結果であると述べている。また、責任ある医療を求める医師委員会(PCRM)は、Neuralink とカリフォルニア大学デービス校がハードウェア試験で動物を虐待したと主張している。ロイターによれば、複数の議員が少なくとも12匹の動物の死亡に関する詳細を隠蔽した疑いで Neuralink を調査するよう求めている。

Business Insider によれば、Neuralink は5月に FDA の承認を得て、来年から人体実験を開始する予定だ。最初の試験には、被験者の募集に対し数千人がインプラントの装着を希望しているが、最終的には11人が参加する予定である。また、Musk 氏は、Tesla のロボット「Optimus」の手足と組み合わせることで、Neuralink のチップが「ルーク・スカイウォーカーのソリューションが現実になることを意味し、AIの脅威から人類を救う手助けになる」と宣言したことがある。

<関連記事>

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する