1月1日~1月5日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは6件で、資金総額は997億ウォン(約110億円)に達した。
企業名 | 産業分野 | 調達額 | ラウンド | 投資家 |
---|---|---|---|---|
Frankit (프랜킷) |
フランチャイズサプライチェーンキュレーション | 非公開 | シード | AI Angel-CNT Tech個人投資組合2号 |
Hello My Pet (헬로마이펫) |
ペットヘルスケア | 非公開 | シード | CNT Tech |
Le Musée (르뮤제) |
デジタルアートマーケットプラットフォーム | 非公開 | CNT Tech-DB Dream Big投資組合 | |
Go Qual (고퀄) |
家庭向けIoT | 非公開 | シリーズB | LG電子、キウム証券、NHヘッジ資産運用、 ユギョン資産運用、Tuya Global、Kolon Investment |
Mainline (메인라인) |
IDP (高度文書処理) |
270億ウォン(約30億円) | プレIPO | Hyundai Investment Partners、Intervest、Kolon Investment |
Mobilelint (모빌린트) |
AI半導体 | 200億ウォン(約22億円) | シリーズB | 教保証券、Union Investment Partners、デサン創業投資、Game Changer Investment、Intervest、KDB韓国産業銀行、LNS Venture Capital、KDB Capital |
42Maru (포티투마루) |
LLM、NLP開発 |
100億ウォン(約11億円) |
LG U+ | |
Aligo AI (알리고에이아이) |
SNSディスプレイ広告モデルマッチング | 2億ウォン(2,200万円) | シード | ソウル大学技術持株 |
EasyTask (이지태스크) |
在宅労働者接続サービス | 非公開 | プレシリーズA | Pacemakers |
Oneness Korea (원니스코리아) |
デジタルヒューマン | 非公開 | 助成金 | 韓国グローバル市場型創業R&D事業(TIPS) |
CAMI Labs (카미랩) |
ペットの心理検査と飼育提案 | 非公開 | シード | CNT Tech-DB Dream Big投資組合 |
Space Vision AI (스페이스비전에이아이) |
広告プラットフォーム | 非公開 | シード | VINe Ventures、Fast Ventures、The Ventures、Lotte Ventures、D.Camp |
InUps (인업스) |
エネルギー新事業プラットフォーム | 非公開 | LS Sauter | |
StradVision (스트라드비젼) |
自動運転ソフトウェア | 420億ウォン (約46億円) |
Aptiv | |
BT Energy (비티에너지) |
マイクロ水力発電 | 非公開 | シード | Y&Archer |
Arch Seoul (아치서울) |
非対面注文 | 非公開 | プレシリーズA | ENSL Partners |
Ill School (일학교) |
ヒップホップのビート取引 | 非公開 | シード | CNT Tech |
CapsuleMedia (캡슐미디어) |
映像制作 | 非公開 | シリーズA | K-Net Investment Partners、ハナ証券 |
Gloud (글라우드) |
デジタル歯科ソリューション | 5億ウォン (5,500万円) |
シード | 韓国信用保証基金 |
Salt by Pep (솔트바이펩) |
冷凍熟成肉 | 非公開 | Y&Archer、VINe Ventures |
主なスタートアップ投資
- 自動運転用ソフトウェア開発企業 StradVision(스트라드비젼)が自動運転の3大企業の一つ Aptiv から3,300万ドル(約46億ウォン)を調達した。この調達を受けて、Aptiv は StradVision の2大株主となり、両社は関係を強化する。
- IDP(高度文書処理)専門企業 Mainline(메인라인)が270億ウォン(約30億円)を調達した。MainLine の主事業分野は「ジェネレーティブ AI を融合した IDP 技術」で、中でもインシュアテックに特化し、大型保険会社10社以上が Mainline のソリューションを導入している。
- AI 半導体専門企業 Mobilelint(모빌린트)が200億ウォン(約22億円)を調達した。同社は2019年に設立された。調達した資金は、AI半導体「ARIES(에리스)」の量産と次世代チップ「REGULUS(레귤러스)」の開発に活用する予定だ。
- 42Maru(포티투마루)が LG U+ から100億ウォン(約11億円を調達した。AI ベース検索「QA42」、チャットボット「Chat42」、OCR サービス「NL42」など B2B サービスを提供している。今回の調達を受けて、LG U+ と共同事業を進行する予定だ。
トレンド分析
ゲームスタートアップへのレイター投資が消えた
2023年のゲームスタートアップ資金調達は簡単ではなかった。2023年は2020年の水準にまで減少し、業界全体での調達額は1,578億ウォンで、前年比で50%下落した数値だ。1,000億ウォン以上の大規模調達を実施した企業はなく、レイターステージの調も不振だった。
2021年と2022年には NPIXEL(엔픽셀)、Haegin(해긴)、SHIFT UP(시프트업)などユニコーンが登場したが、2023年にはユニコーンが出なかった。政府が発表した2023年第1~第3四半期のベンチャー投資動向でも、ゲーム分野の投資は2022年比で50.4%下落し、流入した資金は2019年よりも少ないことがわかった。
ゲームスタートアップは VC からだけでなく、ゲーム会社の投資先としても注目されている。しかし、国内のゲーム業界の低迷により、大型ゲーム会社の投資が減少し、全体的に凍結した投資市場の状況が調達下落に影響を及ぼしたと分析される。また、メタバースやブロックチェーン関連分野の人気の減少も、ゲームスタートアップ投資に減少に影響を与えたようだ。
投資は減少しているにもかかわらず、ゲーム分野で力のある創業者が設立した企業が相対的に投資を受けており、メンバーの能力とゲームコンテンツの差別化が投資決定においてより重要になっていることがわかる。調達のステージを見てみると、アーリーステージの割合が大きい。シード投資は半分以上を占めており、シリーズ B ラウンド以降の調達はあまり見られない。
2024年には金利引き下げとともに投資環境が改善されると見込まれる。これにより、ゲーム分野の投資心理も復活することが期待されている。
【via StartupRecipe】 @startuprecipe2
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