化学素材流通のバーティカルSaaS「Sotas」運営、3.4億円をプレシリーズA1調達

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「Sotas データベース」
Image credit: Sotas

「Sotas 工程管理」「Sotas データベース」「Sotas 化学調査」を開発・提供する Sotas は14日、プレシリーズ A ラウンドで約3.4億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ALL STAR SAAS FUND、三菱 UFJ キャピタル、Archetype Ventures、サムライインキュベート、デライト・ベンチャーズ。累積調達額は約4.8億円に達した。

これは、同社にとって、2023年7月に明らかにしたシードラウンドに続くものだ。今回参加した投資家のうち、Archetype Ventures、サムライインキュベート、デライト・ベンチャーズは前回ラウンドに続くフォローオン。今回の調達を受けて、同社の累積調達額は約4.8億円に達した。調達した資金は、マーケティングの強化や機能の拡充に使われる。

Sotas は2022年、以前、働き方の DX ソリューションを提供する Acall(アコール)で COO を務めた吉元裕樹氏により創業。全産業の中で、鉄鋼や化学関連だけで CO2 排出量の約4割を占めるほど産業シェアが大きいにもかかわらず、間接資材調達における「MonotaRO」のような存在が化学素材の分野には無いことに着目し、Sotas の開発に着手した。

吉元氏によれば、化学素材の分野にその種のプラットフォームが存在しない理由として、人材の流動性が乏しいこと、関連法令が煩雑であること、などが考えられるという。Sotas ではサプライチェーンを見える化し、例えば、化学メーカーが素材を輸出する際に、原料メーカーまで遡らなくても、関係機関に提出する成分を記した技術資料「セーフティーデータシート」を作成できるようにする。

化学素材の世界では、これまで商社が素材流通の要を担ってきたが、素材の情報秘匿性が高まっていることもあり、化学メーカーが以前のマーケットプレイスへの出店よりも、自前のテナント型での販売体制を強める傾向がある。そのような中で、Sotas では中長期に、工程管理、データベース、化学調査の3つのサービスを通して、素材に関するデジタルプラットフォームを提供していく計画だ。

Sotas が、原料メーカーと需要家である工場や加工メーカーを橋渡ししてきた化学商社の機能に取って代わるかどうかについては判断が分かれるところだが、Sotas では化学素材流通に特化したソリューションとして、商社と共存したり、商社に使ってもらえたりする方法についても模索しているようだ。同社では、化学産業におけるコンパウンドスタートアップを目指すとしている。

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