配膳ロボBearがLGから88億円調達、MSPのAhnLabがCLOUDMATEを17億円で買収——韓国スタートアップシーン週間振り返り(3月11~15日)

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Image credit: Bear Robotics

3月11日~3月15日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は1,659億ウォン(約186億円)に達した。

企業名 産業分野 調達額 ラウンド 投資家
Delightful Project
(유쾌한프로젝트)
B2Bメンタルヘルスケアプラットフォーム 12億ウォン(約1.3億円) シード Dunamu & Partners、500 Global
Vagel Chips
(베이글칩스)
AIコールボット 非公開 シード The Invention Lab
Big Picture Interactive
(빅픽처인터렉티브)
総合 e スポーツ 133億ウォン(約15億円) シリーズC Daesung Startup Investment、Hana Ventures、Smilegate Investment、Woori Venture Partners、DT & Investment、大信証券
Bongseonjang
(봉선장=「ボン船長」の意)
総合水産 非公開 シード 全北(=全羅北道)ベンチャー革新投資組合1号
Promedius
(프로메디우스)
AI骨粗鬆症診断 112億ウォン(約12億円) シリーズA2 Starset Investment、韓国投資パートナーズ、Woori Venture Partners、Crit Ventures、Big Move Ventures
Colosseum
(콜로세움)
総合物流 非公開 Hyosung Ventures
Bear Robotics
(베어로보틱스)
飲食店用給仕AIロボット開発 800億ウォン(約88億円) LG Electronics
CLOUDMATE
(클라우드메이트)
クラウド 150億ウォン(約17億円) M&A AhnLab
Ibex Medical Systems
(아이벡스메디칼시스템즈)
高圧酸素治療器 66億ウォン(約7.3億円) シリーズB Capstone Partners、Smilegate Investment、シージェン医療財団
Testbank
(테스트뱅크)
デジタル参考書サービス 23億ウォン(約2.5億円) プレシリーズA 新韓キャピタル、韓国信用保証基金、Sui Generis Partners
Plume.D
(플룸디)
AI ベースのリアルタイムモーションと表情認識ソリューション 非公開 プレシリーズA POSTECH Holdings、D.CAMP
CIS Chemical
(씨아이에스케미칼)
二次電池素材 100億ウォン(約11億円) プレIPO
Daqda
(다큐다)
オンライン追悼サービス 非公開 Vibe Company
FarmJoa
(팜조아)
急速冷凍技術による野菜ミールキット開発 非公開 Hite Jinro
ULIFT
(유리프트)
モバイルコーディングトレーニング 40億ウォン(約4.4億円) シリーズA BonAngels Venture Partners、Access Ventures、Pathway Partners、Cosign Investment
Algocare
(알고케어)
企業向け栄養管理AI 150億ウォン(約17億円) シリーズA Starset Investment、Company K Partners、Murex Partners、IBK韓国中小企業銀行、L&S Venture Capital、JB Investment、Maple Investment Partners
BGT Company
(비지티컴퍼티)
化粧品・ブランディング 非公開 プレシリーズA Bokwang Investment
RNR Lab
(알엔알랩)
半導体熱処理装置 18億ウォン(約2億円) K Clavis Investment
Sionic AI
(사이오닉에이아이)
生成AI 55億ウォン(約6.1億円) シード 韓国投資パートナーズ、Hillspring Investment、Samsung Venture Investment、IMM Investment

主なスタートアップ投資

  • 自律走行サービスロボットスタートアップ Bear Robotics(베어로보틱스)が LG 電子から6,000万米ドルを調達した。今回の投資で、LG は Bear Robotics の最大株主となり、Bear Robotics は商業用ロボット事業を本格化する。
  • ヘルスケアスタートアップ Algocare(알고케어)が150億ウォン(約17億円)を調達した。同社は、企業向け栄養管理サービス「Algocare @ Work(알고케어 앳 워크)」を提供している。このサービスでは、AI を使ってユーザの健康データを分析し、カスタマイズされた栄養剤を処方する。
  • eスポーツプラットフォーム「Big Picture Interactive(빅픽처인터렉티브)」が133億ウォン(約15億円)を調達した。教育会社ゲームコーチ、オンライン/オフライン大会プラットフォーム「LVUP.GG(レベルアップ GG)」などを運営している。 今回の調達をにより、同社は事業インフラを統合し、グローバル進出を本格化する
  • 医療 AI 企業 Promedius(프로메디우스)が112億ウォン(約12億円)を調達した。同社は、胸部 X 線画像を活用して患者の骨粗鬆症リスクを自動分析する AI 技術を開発している。今回の調達により、ソリューションを高度化する計画だ。

トレンド分析

初期B2Cプラットフォーム、3つの投資テーマは?

コンシューマーテック B2C プラットフォームは、投資好況期の投資家が最大の関心を注いだ分野だった。また、韓国のユニコーンが最も多く属している分野で人気を集めたが、最近はB2Bを対象とした企業が上昇傾向に乗り、多くの資金を集めるプラットフォームは減った。しかし、成長が期待される投資テーマには初期投資が行われている。 特にペット、子育て、シニアの3つの分野には投資酷寒期だったのは昨年に続き、今年も初期投資が続けている。その中でも、ペットのソリューションは投資家から最大の関心を集めている。

ペット市場の規模が育児用品市場の4兆ウォン(約4,400億円)台を超えたのに加え、政府支援政策などが市場の成長性を支えている。2月末にはすでにヘルスケア、保険、e コマースなどの分野で5つのスタートアップがアーリーでの調達ニュースを伝えた。

子育てと子供の分野は、出産率の減少にも高い成長性で初期投資が行われている。世話をする領域を埋めるプラットフォームを中心に投資家から関心を受けた場合、最近ではママのための子育て情報・コミュニティサービス、キッズ衣類 e コマース(リセール)などが初期投資ニュースを伝えている。その他にもキッズアクティビティ、キッズコンテンツ、キッズ教育、キッズフィンテックなど、さまざまな分野でキッズを対象とするサービスは国内外で注目されている。

高齢化時代を迎え、シニアプラットフォームもさまざまなものが登場している。 シニアケア、ケアを超えてシニアライフに焦点を当てたシニア旅行、アクティビティ、コミュニティなどプラットフォームがアーリー調達に成功している。これらは、高齢化問題を解決する社会的価値とともに、シニアの生活を豊かにするサービスとして成長の可能性を高く評価されている。

先の3つの投資テーマはまだ初期投資が多数を遂げているが、社会変化とともに成長する分野で新しい市場機会を捉えようとする投資家からの関心は今後も続く見込みだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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