ジョリーグッド、大塚製薬と「感情認知トレーニングVR」を開発

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Image credit: Jolly Good

ジョリーグッド大塚製薬は2日、自閉スペクトラム症など発達特性のある人の対人関係支援を目的とした「感情認知トレーニング VR」の提供を開始した。ジョリーグッドでは、VR(仮想現実)技術を活用したこのプログラムは、相手の感情を推測し適切に対応する能力を育成するものとして、世界で初めての試みとなるとしている。

感情認知トレーニング VR は、「社会認知および対人関係トレーニング(SCIT)」の理論をベースに開発された。VR で実際の生活場面を再現し、相手の表情や仕草などから感情を読み取る実践的なトレーニングが可能になった。従来の2D 教材では感情移入が難しかったが、没入型 VR なら臨場感を持って体験でき、当事者が楽しみながら効果的に学べるという。

発達障害は、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害などを含む脳機能の発達に起因する障害だ。特性は子供の頃から現れるが、大人になってから気づくケースも少なくない。発達障害のある人は、人とのコミュニケーションが苦手なことが多いため、ソーシャルスキルの習得が重要視されている。

感情認知トレーニング VR は、ジョリーグッドと大塚製薬の共同プロジェクト「FACEDUO(フェイスデュオ)」に新たに加わった。FACEDUO は VR を用いた当事者支援プログラムで、これまでは主に統合失調症の支援に使われてきた。今回の感情認知トレーニングでは、6つの基本感情について、感情を表す言葉、表情、声・仕草、共感の4ステップを通じて学習する。

プログラムの特徴は、VR セラピストが個別に指導を行うことで、対人不安から集団トレーニングに参加しづらい人でも取り組めるようになった点だ。またゲームの要素を取り入れることで、わかりやすさと楽しさを両立させている。

ジョリーグッドと大塚製薬は、医療・福祉分野に留まらず、今後は学校や企業での活用も視野に入れている。両社は「テクノロジーとエンターテインメントの融合により、よりよい社会を実現したい」と意気込む。

via NEWSCAST    Summarized by ChatGPT

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