画像認識とLLMでマンガを翻訳、Mantra Engineが7.8億円を調達——集英社、小学館、KADOKAWAらから

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Image credit: Mentra

マンガに特化したクラウド翻訳ツール「Mantra Engine」の開発・提供を行う Mantra は26日、直近のラウンドで7.8億円を調達したと発表した。このラウンドには集英社、小学館、KADOKAWA、スクウェア・エニックス・ホールディングス、MPower Partners Fund L.P.、浜垣剛氏(予備校「鉄緑会」創業者)が参加した。

これは同社にとって、2022年7月に実施した調達に続くものだ。集英社は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。

Mantra Engine は、マンガや縦スクロールコミックに特化したクラウド翻訳ツール。マンガの画像認識技術と大規模言語モデル(LLM)を統合し、マンガのページ内に配置されたテキストを迅速に認識し、その順序を自動的に判断する。状況やキャラクターの性格を反映した形で、テキストの翻訳が行われる。Mantra Engine は、マンガの特有な言語表現やキャラクターの個性、ストーリーの文脈を考慮した高精度な翻訳を実現することを目指している。

また、Mantra Engine はクラウドベースで動作し、特別なアプリケーションを必要とせず、通常のウェブブラウザを通じて誰でも利用できるため、世界中の複数のユーザが同時に作業し、フィードバックや確認をシステム内で行うことが可能だ。

同社によると、Mantra Engine は従来の翻訳プロセスの時間を半分以下に短縮することができるとしており、現在国内外の出版社や翻訳会社、配信事業者に利用されている。リリースによると、月間でのべ10万ページ、単行本換算で約500冊分のマンガやコミックの翻訳に活用されている。

Mantra の技術は、文脈理解に基づく正確な翻訳、翻訳の一貫性、多言語対応などを特徴としており、日本語、英語、繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語での翻訳実績がある。

同社は今回の調達を受け、向こう5年を目処に「エンドユーザが楽しんで読める」水準を目指してマンガ AI 翻訳の精度向上に取り組んでいくとしている。また、並行して小説、ゲーム、動画などへの翻訳技術転用を本格化させ、あらゆるエンタメ翻訳の省力化に向けた研究開発を進める方針だ。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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