東大発・水で衛星を移動させる推進機開発Pale Blue、シリーズBを25億円調達でクローズ

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左から:共同創業者 兼 代表取締役 浅川純氏、共同創業者 兼 取締役 柳沼和也氏、共同創業者 兼 取締役 中川悠一氏
Image credit: Pale Blue

超小型衛星用スラスタ(推進機)の開発を行う Pale Blue は4日、シリーズ B ラウンドで2回目となる資金調達を実施したことを発表した。2023年10月に発表した 1st クローズの調達額も含め、Pale Blue のシリーズ B ラウンドの調達総額は約25億円に達した。

今回の調達には エースタート、KURONEKO Innovation Fund(ヤマトホールディングスとグローバル・ブレインによる運営)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ごうぎんキャピタル、常陽キャピタルパートナーズ、住商ベンチャー・パートナーズ、ちばぎんキャピタル、山口キャピタルらが参加した。KURONEKO Innovation Fund は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。

Pale Blue は、千葉県柏市に本社を置く宇宙スタートアップで、小型衛星向けの推進機(エンジン)の研究開発や製造を主な事業としている。同社が開発に取り組んでいる主な製品は、超小型水イオンスラスタ(超小型水イオン推進機)と水ホールスラスタ(水ホール推進機)だ。

超小型水イオンスラスタは水を推進剤として使用する電気推進機で、小型衛星の軌道制御や軌道間遷移に用いられ、従来の化学推進機に比べて高い燃料効率を実現できる。一方、水ホールスラスタはプラズマ加速の一種である水ホール効果を利用した電気推進機で、水を推進剤として使用し、高い比推力と低い消費電力を実現できる。これらの推進機は小型衛星の軌道制御や姿勢制御に用いられる。

Pale Blueは、これらの推進機の開発と製造を通じて、小型衛星の運用コストの削減や打ち上げ機会の拡大に貢献することを目指している。同社の技術は、将来的には月や火星などの深宇宙探査にも応用できる可能性があるという。

今回の資金調達により、同社は超小型水イオンスラスタ(超小型水イオン推進機)及び水ホールスラスタ(水ホール推進機)の開発及び宇宙実証、生産技術開発拠点の立ち上げ、並びに組織体制の強化などに取り組む方針である。

via Pale Blue    Summarized by ChatGPT

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