超小型衛星用のスラスタ(推進機)を開発するスタートアップ Pale Blue は5日、シリーズ B ラウンドの 1st クローズで10億円を調達したと発表した。このラウンドには、三井住友海上キャピタルとインキュベイトファンドが参加した。三井住友海上キャピタルとインキュベイトファンドは、シードラウンド、シリーズ A ラウンドに続くフォローオン。
明らかになっている範囲で、同社の累積調達額はデットを含め20億円に達した。なお、シリーズ B ラウンドで今後も調達を進め、今秋にクローズする予定だ。
また、Pale Blue は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」(DTSU 事業)の DMP フェーズ(量産化実証)に採択されたことも明らかにした。同社では調達した資金を使うなどして、小型人工衛星向け推進機の価値向上や量産の研究開発を加速させ、生産拠点を立ち上げる。
Pale Blue は、東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻の小泉研究室のメンバーを中心に2020年4月創業。直前まで同研究室で特任助教を務めていた浅川純氏が、Pale Blue の代表を務める。
人工衛星はロケットで打ち上げられ定められた軌道に投入されるが、その後、軌道修正や移動をするためにはスラスタが必要になる。この際の推進剤にはヒドラジンのような化合物が用いられることが多いが、人体に毒性のある劇物であるなどの理由から取り扱いが難しく、大型の衛星にしか搭載できない。Pale Blue は、超小型衛星にも搭載しやすい水を推進剤としたスラスタを開発した。
via Pale Blue
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