衛星データ解析で農業革新を目指すサグリ、10億円をシリーズA調達——農地マッチングや脱炭素事業拡大へ

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サグリの皆さん
Image credit: Sagri

衛星データを活用した農業支援プラットフォームを提供するサグリは8日、シリーズ A ラウンドで約10億円を調達したと発表した。

このラウンドには千葉道場、グローバル・ブレインが運営する複数のファンド、スパークル、SMBC ベンチャーキャピタル、静岡キャピタル、あおぞら企業投資、BIG Impact、池田泉州キャピタル、北海道ベンチャーキャピタル、レオス・キャピタルパートナーズ、グロービスなどが運営するファンドが参加した。さらに、メルカリ創業者の石塚亮氏や SmartHR 創業者で Nstock CEO の宮田昇始氏などのエンジェル投資家も名を連ねた。

これはサグリにとって、2021年6月のシードラウンドに続くものだ。池田泉州キャピタルは以前のラウンドに続くフォローオン。今回調達した資金は、脱炭素事業などの新たなプロダクト開発だけでなく、さらなる採用加速を行い、プロダクトエンジニアや研究開発組織の強化、グローバル組織体制の構築などにも活用される予定だ。

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サグリは、衛星データなどのリモートセンシングデータを AI を用いて解析し、農地の耕作状況や作付け状況、土壌分析、水管理の状況などを高精度で分析する技術を持つ。同社の技術は、農業生産基盤の確立や脱炭素化を推進し、持続可能な農業生産への転換を実現することが期待されている。

気候変動の影響が深刻化する中、カーボンニュートラルの実現と持続可能な農業の推進が急務となっている。農業分野も温室効果ガス(GHG)排出の重要な要因の1つであり、特に肥料の使用に伴う一酸化二窒素(N2O)や、水田から発生するメタンガスなどが主要な排出源となっている。これらの排出量を削減するためには、肥料の使用量の削減や環境に配慮した水管理が必要不可欠だ。

サグリの技術は、こうした課題に対して有効なソリューションを提供する可能性を秘めている。同社はこれまで、農地管理支援ソリューション「アクタバ」「デタバ」「ニナタバ」、農業現場の営農支援ソリューション「Sagri」を提供してきた。今後は、これらの既存サービスに加えて、民間企業向けの農地マッチングや脱炭素事業による事業拡大を進めていく方針だ。

サグリは近年、組織強化にも注力している。2024年1月には、メルカリのアメリカ法人でエンジニアを務めた牧野直矢氏を CTO として、さらに、2024年2月には世界銀行グループ出身の石坪弘也氏を CFO として迎え入れた。これらの新経営陣の参画により、同社の技術開発力と財務戦略の両面が強化されることが期待されている。

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