マッチングアプリ各社が悩む「デート疲れ」問題、解決の切り札は〝引き立て役AI〟

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<ピックアップ> Dating apps develop AI ‘wingmen’ to generate better chat-up lines

オンラインデート業界の大手各社は、AI を搭載した「Wingman(元の意味は、編隊飛行の先導機と一緒に飛び、先導機を支援するパイロット。転じて、ナンパやデートにおける引き立て役の男友達を意味する)」の開発競争を繰り広げている。

Tinder、Hinge、Bumble、Grindr は、AI ツールやチャットボットアシスタントを開発・テストしており、アイスブレーカーやプロフィール作成から、ユーザのやり取りに対するフィードバック提供まで、さまざまな機能を備えている。

AI を活用した恋愛アドバイスやコーチングに対する業界のシフトは、特に若年層で見られる「デート疲れ」に対処するためのものだ。オンラインデート市場がこの問題に悩まされる中、企業は AI チャットボットによるパーソナライズされたフィードバックやアドバイスが、失望したユーザを引き戻すと期待している。

Grindr のチャットボットアシスタント「Grindr Wingman」は、ユーザの独自のプロフィールやチャット履歴に基づいて会話の提案を行い、オンラインデートの「最大の障壁」を乗り越える手助けをすることで、ユーザの燃え尽きを防ぐという。

Tinder は、左右にスワイプして相手のプロフィールを選ぶ機能を初めて世に広めたが、今後12ヶ月以内にAIを活用して「デート全体のサポート」を目指すとしている。すでに、ユーザの個人写真をスキャンして最適な画像を選ぶ AI プロフィール作成ツールを限定展開しており、Bumble も同様の機能を開発中だ。

この動きは、オンラインデート業界が新規ユーザ獲得に苦戦している中でのものだ。Bumble の株価は、同社が8月に収益見通しを下方修正したことから25%以上下落し、最近のブランド見直しがユーザ増加に結びついていないことを認めている。一方、96億米ドル規模のデート業界大手 Match Group は、アクティビスト投資家から Tinder の再建を求められている。

OnePoll が3月に実施した調査では、出会い系アプリの利用者の75%以上が「デート疲れ」を感じており、そのうち40%は良い相手を見つけられないことによる疲労を訴えている。

Hinge は、ユーザが「アプリ内にパーソナルなマッチメーカーがいる」感覚を味わうことを目指しており、特徴的なプロンプトへの回答に対して AI が生成したフィードバックを提供するチャットボットツールを導入予定だ。

Match Group は、AI の人材採用に投資しており、2021年に買収した韓国のソーシャルメディア企業 Hyperconnect のエンジニアを、Tinder や Hinge の AI ツール構築に活用するとしている。

via Financial Times

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