ダイエットのカリスマが率いるフィットネス・スタートアップ、台湾の「iFit(愛瘦身)」が90万ドルを調達しアジアへ進出

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Seed PaperI am into it、そして、日本にも上陸した Noom など、フィットネスや美容のオンライン・サービスは、韓国スタートアップの天下なのかと思っていたのだが、台湾から比較的大きな資金調達のニュースが入って来た。

台湾に拠点を置くフィットネス・スタートアップの iFit(愛瘦身)は先頃、中国の Cherubic Ventures から90万ドルを調達したと発表した。(ちなみに、トラッキング・デバイス の iFit とは偶然名前が同じなだけで無関係)

Alice Chen(陳韻如)

2012年に Alice Chen(陳韻如)と Ming-Yuan Xie の2人が創業した iFit は、創業当初、ダイエットのコツやイラストなどを Facebook ページに投稿していた。それから1年あまりを経て、このファンページは「いいね」を50万人集めるまでに成長し、低カロリーのスナックからエクササイズ器具まで、あらゆるものを販売するEコマースサイトを立ち上げた。今回の資金調達を受けて、同社はコンテンツやコマース以外にもビジネスを広げ、アジアのフィットネスSNSを構築したいとしている。

シードラウンドの資金調達が比較的難しいと言われる台湾で、iFit は複数のVCから出資の申し出を受けたが、その中から中国を拠点とする Cherubic Ventures を選んだのは、同VC が中国やシリコンバレーを中心に40社以上のスタートアップに投資しているからだ。Alice と Ming-Yuan の2人は、次のようにコメントしている。

資金だけでなく、私たちがグローバルなスタートアップになるのを導いてくれる、戦略と専門知識を提供してくれると考えたからです。

イラストを用いたダイエットの訴求はバイラル効果が高く、iFit が熱烈なファンを獲得することに大いに寄与した。さらに、ダイエットに効果的なホットケーキの販売など、ヒット商品を生み出せたのも iFit がここまで成長できた要因の一つだ。Eコマースサイトでは現在年間200万ドルを売り上げているが、2014年にはユーザ数を200万人、売上を350万ドルまでに伸ばしたいとしている。

世界各国のウエアラブル・テクノロジー企業が iFit に接触しており、同社との協業を模索しているようだ。Alice Chen は次のように語っている。

私たちのプロダクトは、すべてチームメンバーのアイデアから生まれたものです。健康的な毎日を送るために、消費者が求めているものを理解できていると思うのです。

iFit はすでにマレーシアでも成功を見せている。特段の広告やマーケティングを展開することもなく、すでに2万人以上のマレーシア人ユーザを獲得している。彼らはジムに通うよりも、iFit が販売するエクササイズ器具を使った方が安全と考えているようだ。同社では2014年末には、マレーシアに最初の海外支社を設立する計画だ。

とかくさぼりがちになるフィットネスではあるが、iFit ではウエアラブル・デバイスとゲーミフィケーション、そして、他のユーザと共に努力していることを仮想的に体験できるソーシャルな要素を取り入れ、これまでにないフィットネス支援プラットフォームをユーザに提供したいとしている。

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