プロダクト管理ツールの開発に向けてーーグッドパッチがDG インキュベーション、Salesforce Venturesらから総額4億円を資金調達

Junya Mori by Junya Mori on 2016.2.19

グッドパッチ CEO 土屋尚史氏

グッドパッチ CEO 土屋尚史氏

これからのデザイン会社のあり方を考えさせられるニュースが相次いでいる。世界的なデザインコンサルティングファームのIDEOが博報堂グループの参加に入り、規模は大きく違えど、オープンエイトはデザイン制作のTHE CLIPを子会社化した

デザインとは何か、デザイナーの役割とは何か、そんなことを問い直されつつある中、独自の路線を走るデザインカンパニーが新たな動きを見せた。

東京を拠点とするデザインカンパニーのグッドパッチが、株式会社 DG インキュベーション、Salesforce Ventures、SMBC ベンチャーキャピタル、SBI インベストメント、FiNC を引受先とする総額4億円の第三者割当増資を実施した。

今回の資金調達は、2013年12月にDGインキュベーションからの増資以来、2度目の第三者割当増資の実施となる。前回の資金調達以降、同社はプロトタイピングツール「Prott」の開発をスタートさせた。

グッドパッチのメンバーは、いまでは約80名。そのうち「Prott」の開発に関わるメンバーは、25名ほどにのぼる。「Prott」のユーザ数は55,000人ほどで、まだ黒字化はしていないものの、売上もたつようになってきているという。

以前、ベルリンにオフィスを設立する際に行ったインタビューで、グッドパッチ CEOの土屋 尚史氏は、グローバルにオフィスを設けていく方針であることを語っていた。今回調達した資金は、主に「Prott」に投入され、台湾、北米にもセールスのためのオフィスを設ける予定だと、土屋氏は語る。

本格的にグローバルに展開するということは、「InVision」等のプロトタイピングツールと戦うことになる。「Prott」の勝算はどこにあるのだろう。

土屋氏「グローバルに展開するとなると、「InVision」をはじめとするプロトタイピングツールと戦うことになりますが、「Prott」は、彼らとは違う軸で勝負します。構造を把握しやすくしたり、画面設計や仕様書に吐き出せる機能を設けるなど、プロトタイピングの前後の作業と連動しやすくする方向でサービスを磨いていきます」

「バリューチェーンの前後も抑えにいきます」と土屋氏は語る。グッドパッチが考えているのは、プロトタイピングフェーズにおいて使えるツールを作るだけではなく、プロダクトの開発工程全体に対して利用可能なプロジェクトマネジメントツール群を開発していくことだ。

土屋氏「プロトタイピングは、プロダクト開発における工程のひとつ。グッドパッチは、プロダクトを管理するフェーズにおいてもツールを開発しています。今夏にはリリースする予定で、その後もプロダクト開発に関連する様々なアプリケーションのプラットフォームになっていくことを構想しています」

たしかに、他のプロトタイピングツールはあくまでプロトタイピングツールとして開発されている。プロトタイピングの後のフェーズともうまく連動させられるよう「Prott」を進化させ、「Prott」と連動するプロダクト管理ツールを開発することができれば、大きな差別化となりそうだ。

グッドパッチが想定しているのは、自社プロダクトの開発だけではない。以前、グッドパッチはアットホームと共同で「TALKIE」という事業を立ち上げている。デザインという強みを活かしながら、他社と共同で事業を開発するという取り組みも、今後積極的に行っていく方針だ。

SMBC ベンチャーキャピタル、 SBI インベストメント、FiNCから出資を受けているのは、事業を立ち上げていくことを想定してのものだ。前2社が強みを持つFinTech領域における開発支援を行い、FiNCとはヘルスケア事業分野でのシナジーを生み出すことを目指している。

グッドパッチは、スタートアップにも負けない速度で、急速に組織を拡大してきた。土屋氏はそのための苦労も経験しているが、それでもグッドパッチは次のステージへと進もうとしている。スタートアップのように成長するデザイン会社が、どのような存在へと変化していくのか。その行く末を見守りたい。

“summercamp"/

Junya Mori

Junya Mori

モリジュンヤ。2012年に「Startup Dating」に参画し、『THE BRIDGE』では編集記者として日本のスタートアップシーンを中心に取材。スタートアップの変革を生み出す力、テクノロジーの可能性を伝えている。 BlogTwitterFacebookGoogle+

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