成瀬勇輝(上写真)は日本出身の冒険好きな若者であり、一年間かけて世界中の起業家に会ってまわっている。
私が最初に彼に直接会ったのはシンガポールだった。そこで我々は多少お互いのことを知った。先週、私は彼に一緒にインドのバンガロールに来るよう誘うことにした。そして彼は快諾してくれた。インドは彼にとってよりカラフルであったようだ。
というのも彼はしょっちゅう出来事をツイートしたり、黒い手帳にメモの走り書きをしたりしていた。バンガロールでの彼の存在は、TechSparkイベントをもう少し国際的なものにした感があった。西洋人と日本人、中国人、そして親切な地元のインド人を混ぜたよいイベントだった。
インドの前、勇輝は、インドネシアやマレーシア、シンガポールを含む東南アジアの国々を旅している。
インドを一緒に探索している間、会議の予定がパンパンに詰まっていたため、彼の知恵を借りる時間があまり取れなかった。バンガロール空港までの長い道のりのタクシーの中で、ようやく勇輝とゆっくり話す機会が持てた。勇輝が日本人としてのレンズを通して物事をどう見、解釈するかを知れたのは非常に興味深い体験だった。
シンガポール
私が聞いた話では、勇輝は東南アジア、特にシンガポールの文化が好きだという事だ。勇輝は、シンガポール(そう、私の母国!)は整然としていて、安全、広い人脈のある、事業を始めるのに最適な場所だと私にいった。彼は、テック系スタートアップコミュニティーは、家族のように非常に連結しているとも話してくれた。「僕が会おうとしている人や会った人のことを皆が知っているかのようだった」と語っていた。
シンガポールでの最後の日、勇輝は、ChalkboardのBernard Leong氏とPlug & PlayのWayne Soh氏と会い、スタートアップの育成の場であるシンガポール経営大学(SMU)の視察をした。勇輝は、シンガポール政府が起業家精神を育成するため、芽のでかかっている起業家のリスクを肩代わりする助成金を出していることも気に入っている。彼は「日本ではそんな恩恵は受けられない。シンガポール人は本当に恵まれている」といった。
マレーシア
シンガポールは勇輝から +1 を得たが、マレーシアも同様だ。勇輝は先日クアラルンプールでおこなわれた Barcamp に参加し、そこで目にした地元の人の異常なほどの熱狂ぶりにいたく感銘を受けていた。今回の Barcamp では、東南アジア中の人々が集まって意見を交換するんだと勇輝は説明してくれた。
勇輝はテクノロジー以外でも、単純であるが興味深い金儲けの機会がこの国にあることに気づいた。例えば、彼が現地で会った日本人の1人はマレーシアで中古の工場ラインの機械を売っていた。このような中古で酷使された機械は日本では廃品として扱われるが、マレーシアでは十分に価値のあるものなのだということに勇輝は気づいた。
「テック系スタートアップのブームのほかにも、僕は起業家が地域でお金を作れる機会を数多く見ている。中古の機械は一例で、ほかにも似たような機会はたくさんあると確信している」と彼は語った。
勇輝は、インドとインドネシアにおいてはまだ十分な期間を過ごしていないと感じているとして、あまりコメントをしたがらなかった。しかし、両国に対する彼の第一印象は絶対に肯定的であったと確信している。勇輝はバンガロールを再び旅行するつもりであり(2カ月間)、それからインドネシアへ向かい、これらの国で彼が見逃したものを取り込むそうだ。我々のタクシーは空港へと近づき、勇輝は素早く彼の考えを要約した:
「日本に戻ったら、東京の学生と自分の経験を共有する予定だ。私の経験で、日本の企業が日本を越えて事業を拡大するのを手助けしたいと思っている。それから、テック系か物品貿易、または両方に焦点をあてて、グローバルなスタートアップを作ることが私の夢だ」
彼のやる気と展望には本当に恐れ入る。ユキマル(幽鬼丸=人気の漫画、ナルトから名づけられた彼の愛称)、幸運を!
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