中国の少数民族用アプリの開発を検討しなければいけない理由

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【翻訳 by Conyac】【原文】

中国のインターネットとモバイル市場の成長にともない、多くの人たちが中国各地で商品のローカライズをしようと模索している。一般的にこれは、北京を拠点とするチームをつくり、アプリサービスを中国ユーザのニーズに合わせて中国語などに翻訳していくということだ。サービスを多くの人に早く利用してもらいたいのなら、北京へのローカライズは理解できる。しかしデベロッパーは、中国にはその他のコミュニティが存在し、それぞれに全く異なったニーズがあることを忘れてはならない。

例えば、中国には500万以上のチベット族(シンガポール全体の人口に相当)、800万以上のウイグル族(香港の人口に相当)がいる。数字としては何億もの漢民族に比べればもちろん母数は小さく、スマートフォンとパソコンの利用者はチベット族やウイグル族では比較的少ない。しかし、競合はほとんどいない。あなたの中国語化されたアプリは、大きな市場潜在性を持っているが、その分競争相手もたくさんいるだろう。ある程度有名になれば、模倣品も登場する。チベットやウイグル用のアプリは市場としては小さいが、競合はほとんどいないだろう。もしかしたら存在しないかもしれない。

さらに、新疆やチベット地区が経済的に発展すれば、スマートフォンやウェブの利用率は急速に伸びるだろう。今年に入ってから新疆(多くのウイグル族が居住する地区)でのブロードバンドアクセスが増えていることを記事で紹介した。チベットは既に発展した中国の東の州よりも速いインターネットを享受している。

こういったコミュニティは比率としては小さいので、チベット語やウイグル語のアプリやサービスのスケーラビリティは限られたものであることは明らかだ。もし、アプリをつくる目的が億万長者になることであれば、この記事は読まなくてもいい(もうすでに少し前のパラグラフで読むのをやめているかもしれないが)。

しかし、技術で問題を解決したり、役に立つアプリを作りたいと思っているなら、これらは十分なサービスを受けられていない大切なコミュニティで本当に解決法を必要としている人々だ。文化や言語の壁は手ごわいが、地元民をチームに雇い入れる気があれば(そうしない理由はないだろう?)乗り越えられない壁ではない。

もちろん、ウイグル族もしくはチベット族だけにターゲットを絞ったアプリである必要はない。例えば、少数民族と漢民族の壁(これは実に大きい壁だ)を取り除くことを目指すソーシャルアプリを私はぜひ見てみたいと思う。

ラサ、あるいはウルムチに拠点を置く位置情報サービスは、チベット族やウイグル族だけでなく、簡体字の表示もあれば漢民族にとっても役に立つだろう。スマートフォン、フィーチャーフォン、そしてウェブアプリを使ってこれらの独特なコミュニティのために貢献できる素晴らしいことは、多々ある。そして、それらの問題は、多くのデベロッパーが注目していないか、あるいは気付いてすらいない。

(おそらく、言うまでもないと思うが、このようなアプリに現在取り組んでいる、もしくは過去に取り組んだことがあるという人は、その詳細をもっと知りたいので、ぜひ私に連絡してほしい。)

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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