料理写真共有アプリ「SnapDish」が新たに7言語に対応。11言語30億人の母語で利用可能に

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日本から世界に向けてサービスを展開しているアプリがいくつか存在する。料理写真とレシピを共有するモバイルアプリ「SnapDish」もそのひとつだ。

これまで日本語、英語、中国語(繁体・ 簡体)、韓国語の 4言語でサービスを提供してきたSnapDishは、新たに仏・独・西・伊・ポルトガル・インドネシア・タイの7言語に対応し、計11言語30億人の母語に対応すると発表した。

SnapDish は、料理写真を加工し、共有することを通じて、料理が好きな人たちと気軽に交流できるスマートフォン専用の写真とレシピの共有アプリ。サービス開始は、2011年5月。現在までに投稿された料理写真の数は 200 万件を超え、投稿された写真につけられる「もぐもぐ(Facebookにおけるいいね!)」は 1200万件を超えているという。

写真やレシピを通じて料理の話題で様々な人とつながり、コミュニケーションをとっていくことが可能なため、家で手料理を作る人たちを中心に、ユーザ数を広げている。今回の多言語対応にあたって、SnapDishの国際担当に話を聞いた。

SnapDishが海外展開において実施してきたポイント

2011年5月にアプリを公開するまでの開発、設計期間では、当初から海外ユーザが使用することを想定してアプリの作り込みました。英語版も同時公開したので、アプリの中身を単純に翻訳するのではなく、UIなどにも最初から英語が入ることを前提で、日本人以外にも使用しやすいよう開発しました。

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SnapDishは、英語でもユーザが楽しめる表現かどうかなどにも非常にこだわったという。例えば、日本語版で他のユーザの写真を気に入ったら「もぐもぐ!」(FacebookでいうLike!)をする機能があるが、これは英語版では「Yummy!」となっている。

本来、「もぐもぐ!」は英語では、”nom nom”とか”chomp-chomp”という表現を用いるが、それでは可愛くない、馴染みにくそうといった理由や、”Yummy! ”という表現の方が英語の文章の中でも自然であることなどからこの「Yummy!」という表現を選択した。他の言語に展開する際にも、こういった部分には非常に拘っているそうだ。

その結果、アプリの初期リリースから海外から一定のダウンロードがあった。主に東南アジアや中国語圏からのアクセスが多く、「食」と「写真」という組み合わせが日本だけでなく、アジアで好まれるという傾向を早くに掴むことができた、と語る。

アプリを公開した後もユーザのニーズを把握し、各写真にタグ付けできるジャンルも各国の食文化に合わせるなどの工夫を行っている。こうして海外ユーザを最初から意識して作ったこともあり、海外のヘビーユーザからは「日本のアプリであることを知らなかった」、米国のユーザから「英語圏で作られたアプリだと思っていた」と言った声が寄せられる事も多そうで、海外のユーザでも違和感なく使用できるアプリであることが伺える。

SnapDishのビジネス開発

昨年は中国のRenren.comや韓国SK planetなど、海外の大きなパートナーとの提携を進めることで海外展開を進めました。提携については、基本的には先方からお声掛け頂き、実現に至っています。

こういったパートナーシップによって、SnapDishがアプリとしてアジア諸国のニーズに合致する魅力を感じている人が、SNSやキャリア内のプロバイダー側にいて、付加価値となりうることが確認できました。

SnapDishは、昨年海外のスタートアップ向けのピッチイベントに積極的にエントリーを行い、6月にシンガポールのEchelon、7月に台湾のIDEAS Show, 10月に米サンノゼのGMIC-SVに選ばれた。プレゼンテーションをする機会に加え、イベントでブースを持つ事もでき、海外の既存ユーザとも話す機会となった。海外ピッチイベントの参加により、人的なネットワーク構築をし、海外メディアから取材を受けるなどPR面でも非常にプラスになったという。

特にアジアでは、好意的に受け止められ Echelonではアジア6都市から厳選されたTOP 10社としてピッチする機会を得た。イベント主催者は受賞理由を「数多有るフード系の写真アプリの中でも『手料理』という切り口で差別化を徹底していて、マネタイズする方法まで考えられているのは素晴らしい」と語った。

SnapDishの今後の展望

今後はアプリ内の細部に渡る機能面だけでなく、プロモーションやコミュニケーション面でも「ローカル」なユーザを意識した動きをして、これまで日本国内だけに留まっていたプレゼントキャンペーンなどを海外でも実施する予定だ。

これまでと変わらず、今後も海外でも特にアジアをターゲットとしています。もちろん、今回の言語対応に多く含まれるヨーロッパなどの他の地域が重要ではないという意味ではありません。アジアには既にユーザの母数があり、コミュニティが形成されつつあります。アジアにはマーケットとしての素地が既にあるので、そこをきちんと固めていくという意味です。

引続き海外のピッチイベントには参加したいと思っておりますし、昨年アジアでの啓蒙活動を行った様に、今後はヨーロッパでも啓蒙活動のチャンスを伺ってます。

ますます海外、ローカルへの対応を進めていくSnapDish。どれだけ多様なユーザに愛されるサービスになっていくのか、これからが楽しみだ。SnapDishのダウンロードはこちらから。

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