クラウドファンディングは面白いガジェットの開発資金調達に利用され、社会的にも良い変化をもたらしている。様々なクラウドファンディングサービスが生まれてきたが、これまで投資を目的としたクラウドファンディングは今まで見かけなかった。その領域に取り組もうとしているのがCrowdbaronだ。
香港拠点のスタートアップCrowdbaronは、不動産への投資を、オンラインでホテルを予約するのと同様にシンプルにすることを目指している。同サービスは個人の投資ポートフォリオを増やしたい人をターゲットにし、1つ、もしくは複数の不動産に小額の出資をすることで複数国における不動産価格の上昇から利益を得ようというものだ。
出資者は、ある不動産の一部を分担購入するのだが、これは昨今流行のタイムシェアのようなものではないので、出資をしているアパートや別荘に滞在したりはしない。この出資は純粋に利潤を目的にしたものだ。だから、リスクの分散も可能で、投資プロジェクト額の1%からでも出資できる。
Crowdbaronはアジア圏全体のユーザをターゲットにしているが、最初は香港、中国、インドネシアの顧客に力を入れている。
同サービスは不動産に対し通常100%の出資をするようなグループ層 ——最近、オーストラリア、イギリス、アメリカ、その他の国で不動産(そして、おそらく移民するためのルート)を買いあさっている裕福な中国人—— ではなく、富裕層ほど裕福ではないグループをターゲットにしていると設立者でCEOのSaeed Hassan氏は説明する。
Hassan氏は、同サイトは「将来に備えて貯蓄をしていたり、株式市場が焦げ付き低金利に不満を抱いている中級層の家族」にいいと言う。彼は次のように付け加えている。
「このような個人には香港やその他の国の不動産を購入するチャンスはほとんどありません。このグループ層は大きく、しかも分担型の購入プランに出資したいという意欲があります。
というのも、普通では手の届かない不動産への投資に分担型プランで出資をすることで、従来よりも高く安定した報酬を得ることができるようになるからです。つまり、出資の参加条件を引き下げ、より多くの人を巻き込むというものです。」
Crowdbaronを利用する投資家は、不動産価格の上昇から利益を得る以外に、不動産をレンタルすることで収益を得ることができる(レンタルされる不動産はクラウドファンドの不動産所有者の煩わしさをなくすために家具などはすべて取り払われる)。
これらの不動産は出資者への販売後も不動産業界のネットワークを通じてCrowdbaronが管理し、テナントを探す業務も担うとHassan氏は語る。不動産のテナントが見つからない場合でも、Crowdbaronが賃貸収益の取り分を出資者に支払うことを約束している。
Crowdbaronチームは4人ずつのチームに分かれていて、1つのチームが香港、別のチームがジャカルタとインドネシアを担当している。今月、営業スタッフがさらに加わり、マドリッドのオフィスも開設準備中だ。
同サービスを利用する投資家のほとんどはアジア地域にいるが、イギリスやアメリカを除く(税金の兼ね合い)、その他の国の投資家も利用することができる。現在、同サービスの不動産はロンドンとジャカルタ全体に広がっており、マドリッドにもたくさんある。まもなく、アメリカのいくつかの都市も加わるだろう。
不動産のクラウドファンディングは2013年で最もホットなスタートアップ、そして投資のトレンドの1つになるかもしれない。アメリカに拠点を置くRealtyMogulも前途有望のようで、最近ではたくさんの賞と称讃を獲得している。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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