シニア向けに介護食を3DプリントするプロジェクトがEUで進行中

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欧州連合(EU)では、50歳以上の5人に1人が食べ物をスムーズに飲み込めない嚥下障害をかかえている。EUでは、この問題に取り組むため3Dプリンターを用いて誰でも簡単に介護食をつくれるようにするというプロジェクトを進めている。

3dfoodprinter
Photo by De Grood Innovations BV

今の介護施設では嚥下障害のある人のために栄養バランスを整えたおかゆのようなものを提供しているが、これらはシェフの手作りのため時間がかかり、提供数に限度があるという問題を抱えている。

サイエンス・ワールド・レポートによると、この問題を解決するため、2015年までに介護食を出力できる3Dフードプリンターを開発するという。

このプロジェクトをリードするドイツのBiozoon社のCEOであるMatthias Kuck氏は、「この3Dプリンターで、毎週異なるメニューを工場で準備し、配達できる。個人に合わせ対応が可能で、特別な栄養素やビタミンを加えることができる」と紹介している。

この3Dプリンターは、従来のインクジェットプリンターと同じような仕組みで、インクの代わりにゲル化剤をミックスした食品を出力する押出方式。プリントヘッドが搭載された48のノズルで、キッチンで料理する代わりに自動で介護食を出力してくれる。プリントされた食品は非常に柔らかく、かむと口の中で溶け、飲み込み易いものになる。

3Dプリンターを利用した介護のイノベーション事例となりそうだ。

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