以前、本誌でもお伝えしていたプロジェクトが大台を達成したようだ。サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営するMakuakeは4月21日、「BULK HOMME」プロジェクトで国内最高額となる3,000万の資金調達に成功した。締切となる4月21日午後6時の3分前に達成したとみられる。(18時47分補足:最終的に集めた金額は31,326,500円となった模様)
成功したのはTSUMO・JP(社名/株式会社)が2013年4月に開始した男性用化粧品販売事業によるメンズエステサロンの立上げプロジェクト。
サイバーエージェント・クラウドファンディングによると、これまでの購入型クラウドファンディングでの国内最高額は映画関連のプロジェクトで1680万円としていた。
追記:BULK HOMME事業部の責任者である野口卓也氏からコメントをもらった。彼はIT関連事業での起業経験もある25歳の青年だ。
筆者:野口さんおめでとう。最後の5分はちょっと痺れましたね。
野口:私はもともとIT業界出身の起業家です。借入や出資といった従来の資金調達ではなくクラウドファンディングという手法を選択したのは、大きな事例を作ることができれば、きっと多くの若い起業家に夢と勇気を与えると信じたからです。プロジェクト掲載期間の2カ月はフルコミットして全力でこのプロジェクトを告知、営業してきました。ギリギリになってしまいましたが、達成することができて本当に感無量です。
筆者:大型の資金集めだったので成功する確率って著しく低かったと思うのですが。
野口:はい。プロジェクトを公開する前から、2つの点がクラウドファンディングに向いていないと言われていました。店舗を中心にしたローカル・ビジネスである点と、ミドルアッパー層向けのビジネスである点です。
筆者:成功にもっていけた要因ってどこにあったと思いますか?
野口:課題を解決するため、比較的高額なリターンを設定しました。でもこのリターンがあることで、私が直接企業の経営者のみなさんに営業ができました。
筆者:本来は少額を沢山の方から集めるのが本質ですが、達成のために結構泥臭く営業して回ったりもした、ということですね。
野口:はい。そうです。それも成功要因のひとつだと思います。
筆者:ありがとうございました。まだ資金調達の段階ですので、ぜひプロジェクトをさらに成功させてみなさんの期待に応えてください。
さらに追記:今回プラットフォームとして支援したサイバーエージェント・クラウドファンディング代表取締役の中山亮太郎氏からもコメントを貰った。そのまま掲載させて頂く。
今回のBULK HOMMEさんのチャレンジは我々にとっても相当なチャレンジでした。野口さんの起業家としての情熱を信じて、クラウドファンディングの規模感を一段階上に上げて欲しいと願い、ご一緒させていただきました。とはいうもののプラットフォームとしては、野口さんを応援できることも限られていたので、より応援してもらいやすくするためのシステム的な改修や、細かいサポートを全力で対応させていただきました。
本当に野口さんを中心にBULK HOMMEチームがネット上でもリアルでもかけずり回った結晶が最後の最後で実って良かったと思います。応援していただいた皆様には我々からも感謝の気持ちで一杯です。
こういった大きな金額達成が可能になることで、もっともっと沢山の新しいチャレンジが日本から生まれやすくなると思っています。そういった意味でも、今回のBULK HOMMEチームの頑張りは、本当に良くやりきっていただいたなと思います。
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