国内クラウドファンディングは数千万規模の大型調達を実現できるのか

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今朝のピックアップでもお伝えした通り、kickstarterの2014年第一四半期に置けるプレッヂ(成立前のものも含めた集金額)が1億1200万ドル(日本円で112億円)に到達した。昨年の年間プレッヂが4億8000万ドル(約480億円)なので、ほぼ順等な立ち上がりといったところだろうか。

一方、国内で最も早いスタートを切ったグループのCAMPFIREの2013年結果を眺めてみると、総支援流通額が約1億6700万円。対象とする市場規模も大きく違い、さらに2009年に開始したkickstarterと2011年に開始したCMAPFIREの全体規模を比較するのはあまり意味がないかもしれないが、参考までにひとつ置いておこう。

また、一件あたりの集金額も大切なポイントだ。

Oculus_Rift__Step_Into_the_Game_by_Oculus_—_Kickstarter

先日、ヘッドマウントディスプレイのOculusがfacebookに20億ドルで買収されたのは記憶に新しい。彼らはkickstarterで250万ドルを調達し、その後に名だたるVCから資金調達を重ねた結果、2年というスピードで大きな夢を手にした。つい最近では、ニール・ヤング氏肝いりのミュージックプレーヤー「Pono」が500万ドル以上の集金に成功、ゴールとなる800万ドルを恐らく達成する見込みとなっている。

国内はというと、やはりCAMPFIREが大きく調達を成功させたプロジェクトがカメラレンズ「Petzval」の復刻版で、金額は約1100万円ほどという状況になっている。現時点での最高額は1680万円を集めたこちらの案件の模様で、その他にも1000万円超のプロジェクトがいくつかあるようだが、「数千万円規模」というのはまだない。

ここにチャレンジしているのがこのプロジェクトだ。

国内最大規模となる3000万円を目標にする若手起業家のプロジェクト

世界一のメンズフェイシャルエステを造り、「日本の男はカッコいい!」未来を創る_プロジェクト詳細_ クラウドファンディング - Makuake(マクアケ)

Makuakeで実施されているプロジェクトで、3000万を目標額に設定、18日を残して77人から約半分となる1500万円の集金に成功している。さらに運営元のサイバーエージェント・クラウドファンディング代表取締役の中山亮太郎氏に話を聞いたところ「今週にも1700万円を突破しそう」な状況なのだそうだ。

私は先日あるイベントのセッションで中山氏と同席する機会があり、その際にもこのプロジェクトについて成立するのかどうかの見通しを聞いたのだが、実は現場での営業活動など結構地味な取組み数多くやっているらしかった。

このあたりはまだまだ国内の状況を現しているように思うが、試金石的にこの規模が成立すればよい前例になるのは間違いない。

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※筆者はクラウドファンディング関連のイベントで中山氏らとセッションを担当させてもらった

なぜ一件あたりの金額が大切なのか

私はクラウドファンディングにおける意味合いが資金調達もさることながらマーケティング的な比重が高いと考えている。

過去のKickstarter案件でも大きく話題になったのはPebbleやOculusなど、まだ「市場があるかないか分からない」ようなものだ。チャレンジに対して人は共感し、場合によってはプレッジして商品を「先買い」する。共感が大きければ大きいほどメディアはそれを話題にするし、結果は集まった金額となって「見える化」される。

この数字こそが重要な意味を持つようになる。

BULK HOMMEのプロジェクトは決して目新しいものではないと思う。エステサロン自体はごまんとあるし、集める金額も決してこの事業を推進する上では必要最低限のラインなのだろう。

そこにインパクトがあるのではなく、若い起業家が新しい事業に挑戦するにあたり、まだまだ成熟しているとは言い難い国内クラウドファンディングという手法を使ってチャレンジしていること、そのことこそが重要であり、その意味を含んだ3000万という数字が大切なのだ。

前例ができてしまえば、後は続く挑戦者が出てくるのを待つだけになる。

来年には株式購入型のクラウドファンディングサービスもお目見えするかもしれない。その時、集金目的の小汚い案件と詐欺師ばかりが集まるプラットフォームに成り下がるか、それとも新しい市場を開拓する生き生きとした案件がずらりと並ぶのかは、この購入型のプロジェクトの発展次第とも考えている。

AngelList

株式購入ができるAngelListではDemoDay終了後のY-Combinatorスタートアップの資金調達を実施していた

小さなプロジェクトが集団の力によって大きな事業に成長する。夢のあるクラウドファンディングの世界をぜひみてみたい。

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