Alibaba(阿里巴巴)のIPO前のロードショービデオは必見【Alibaba・IPO特集】

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編集部注:本記事は既に株式公開を果たした Alibaba(阿里巴巴)公開前後、パートナーメディアの翻訳記事です。今後の参考のためIPOに関する記事はこちらにまとめました。

来たるIPOに先立ち、Alibabaは潜在的投資家に対して同社の目的を説明する一連の動画を公開した。

Retail Roadshowで数日間公開されているこの動画は、Alibabaが展開する多くのショッピングプラットフォームについて説明し、それぞれのプラットフォームが一般の中国人の生活に与える影響について言及している。深い感動を与えるようなサウンドトラックだが、これらの動画は同社の製品や中国の小売インフラに与える影響について優れた概略を示している。Alibabaのビジネスモデルや数多くのサービスの裏に何があるのか良くわからない人にとっては、見る価値があるだろう。

40分にわたるオープニングこそ必見の部分で、Joe Tsai副会長と最高財務責任者のMaggie Wu氏が自社のビジネスモデルと成長を解説している。残念ながら組み込みができないため、いくつかのスクリーンショットでハイライトをお届けしよう。

俯瞰でみると、中国は広大でインターネットの普及もどんどん広がっており、eコマース市場も拡大を続け、Alibabaも急速に成長している。これが大きな成長の土台だ。アナリストによると、中国における2013年のインターネット普及率は46%でインターネットユーザとAlibabaの潜在的顧客がどんどん増加しているという。

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まずは、同社に対して辛口の批評をせずに見ていこう。Alibabaの総取引高は2013年には2480億米ドルに、そして2014年度決算期の6月には2960億米ドルに達し、Amazonを始め他の競合の取引高をはるかに上回っている。もちろん、取引高は一つの指標で他にも収益や利益もあるし、ショー的要素も含まれるロードショービデオなので私たちの統計とも照らし合わせてみたい。

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Alibabaのエコシステムを示した便利な表の外側の青い輪部分には、ユーザをマーケットプレイスに呼び込むためのAlibabaと提携している商品やサービスが記載されており、中央の白い輪部分には、ユーザが様々なものを購入したり販売できる内容が記載されている。

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Tsai氏は、Alibabaのマーケットプレイスや周辺サービスについて、より多くの卸売業者がAlibaba.comを訪れることでAlibaba.comを訪れるバイヤーの数も増加するという、ネットワークの効果をどのようにしてを包含しているかについて繰り返し強調した。その次に、Alibaba.comで在庫を購入してTaobao.comで売却する人が増えると、Taobaoの顧客も増えることになる。

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アメリカ金融業界ではモバイルが信頼されている。なんという偶然だろうか!Alibabaも同じ考えなのだ。2014年6月までの期間では、モバイル機器が商品総量の33%を占めたが、後に中国におけるモバイル製品の小売取引で86%を占めることとなった。Tsai氏が現在の中国でインターネット普及率がおよそ36%だと指摘したことを覚えているだろうか?数字が拡大すれば、Alibabaがモバイルから得る収益も向上する傾向にある。

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Alibabaが商品を物理的に販売しないことから、同社は主要な6つのマーケットプレイスで手数料や掲載手数料、広告サービスを組み合わせた料金を請求することで収益を挙げている。これにより、倉庫に在庫を保管するeコマース企業より諸費用を抑えることができ、事業の拡大縮小も可能となる。

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Alibabaの商品の総量は前年比で45%増加している。これは同社が2012年に記録した60%を若干下回る数字ではあるが、オンデマンド型の配送およびメディアなどの新事業を拡大していく中で、この数字を高い位置でキープしたいと考えている。

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モバイルの話に戻るが、モバイル機器におけるAlibaba商品の総量は1180億元(約190億米ドル以上)から1640億人民元(260億米ドル)で、前年比で300%の増加を記録している。

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何枚かのスライドの後、物語形式の動画に移行している。「中国におけるAlibabaの影響」と題した動画で視聴者は様々な場所に出かけ、そこで中小企業の事業拡大に成功し、Alibabaマーケットプレイスに感謝している人々が出てくる。

「初めてTaobaoを見たとき、私はインターネットについてほとんど知りませんでした」と四川省德陽の画家は言う。「私の作品をインターネットに掲載して1ヶ月で最初の作品が売れました。Taobaoは私に希望を与えてくれました。この小さな町で、Taobaoを使わなかったら私の作品を売ることはできません」。(以下に組み込んだ動画はAlibabaおよびTech in AsiaによってYouTubeにはアップロードされていないので注意が必要)

Taobaoを説明する動画では、Alibabaは同社の消費者向けフラッグシップ・マーケットプレイスにはたくさんの製品があり、このサイトを使えば家全体をも装飾できると説明している。また、販売者がキーワードで潜在的顧客を絞ることができ、ペイ・フォー・クリック入札システムを導入した同社の主なマーケティングサービスに関する概要も説明している。

Tmallは、国内外の販売者がブランド名が入った店頭で中国人消費者に商品を販売できるマーケットプレイスだ。AlibabaはTmallをオンラインビジネスの要と位置づけ、事業を展開している有名ブランドとしてElleハンドバッグの代理店を例に挙げている。

世界に照準を合わせたマーケットプレイスについては、AliExpressというB2Cマーケットプレイスでが比較的知られていないが急成長しているものがある。「私と生産者は直接結ばれています」とロシアでAliExpressを利用する顧客は言う。「他の店は全て中国から購入しているので、私がわざわざ他の店から購入する必要はありません」。その後、Alibaba.comを使ってゴムプール製造事業で中国の製造業者と提携した2名の起業家にスポットライトを当てている。

最後に、Alibabaの第三者預託支払いサービスであるAlipayがある。Alipayは実質的にはAlibabaの一部ではなく、同社がAlibabaロードショーの動画で何度も登場しても財政状態について言えば二者のぎこちない関係を強調するだけである。

ナレーターは「Alibaba Groupは2011年をもってAlipayの管理業務から離脱したが、契約上の合意には達していると注記しておくことが重要です」と快活に述べた後、AlibabaマーケットプレイスにおけるAlipayの活動は続くと説明している。

【原文】
【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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