11月11日は中国Eコマースの日——Alibaba(阿里巴巴)の売上が記録を更新、24時間で93億米ドル突破

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国を挙げてのオンラインセールデーは大成功を収め、中国全域でクリックの嵐が24時間続いた結果、Alibaba(阿里巴巴)の顧客は2つのオンラインストアでトータル93億米ドル(571億元)を費やした。これは昨年の58億米ドルを大きく上回った。

Alibabaからのリアルタイムのデータにより、スマートフォンやタブレットを利用した人がこの売上の42.6%を占めることが分かった。これも2013年の21%から増加し、新記録である。

独身の日(光棍節)と呼ばれる11月11日のセールイベント期間中に、Alibabaの顧客は、同社のマーケットプレイスであるTmall(天猫)とTaobao(淘宝)にて約3万の店舗が販売するセール品を購入し、合計2億7850万の小包が配送された。これらは中国の2大eコマースサイトで、2億5000万超のアクティブユーザを誇る。ユニクロ、ディズニー、クリニーク、Xiaomi(小米)など、中国および世界的なメジャーブランドがセールに参加した。

ガジェットと家電がTmallで最も人気を集めたブランドのトップ3だ。内訳はXiaomiがトップ、Huawei(華為)が2位、Haier(海尔)が3位だった。日本のユニクロはこれに次いで4位となった。

今年のセールスデーの売上は、早くも午後1時30分にはAlibabaの昨年の売上を超え、販促終了を迎えた深夜には記録破りの総額を突破した。

歴史的シフト

Alibabaの幹部で副会長の Joe Tsai(蔡崇信)氏は、次のように述べた。

私たちはまさに、歴史的な瞬間を目にしたのです。

この日の夕方、前年の独身の日の売上が大幅に更新されることが明らかとなった時点で、中国が世界の工場であるという最近の位置づけに言及して、次のように付け加えた。

誰もが消費活動を行うようになり、中国は工場経済から街角でのショッピング経済へと移って来るでしょう。これはAlibabaだけによってなされたのではありません。エコシステム全体によるものです。

同社のオンラインマーケットプレイスを利用している小さな小売店とメジャーなブランドの両者をともに評価した。

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Alibaba(阿里巴巴)配下、Tmall(天猫)とTaobao(淘宝)における、独身の日(光棍節)の売上推移(2009〜2014年)

Tsai氏は新ライバル、Tencent(騰訊)のWeChat(微信)の脅威をはねのけた。この人気メッセージングアプリは、モバイルコマースとイーウォレットを付け加え、昨年よりAlibabaサイトから顧客を奪おうと苦心してきた。「チャットユーザをeコマースへ転向させるのは非常に難しいです」とTsai氏は指摘し、Alibabaの顧客は「強固な購買意志」をもってモバイルアプリに来ることも付言した。これは、ソーシャルアプリユーザが主にコミュニケーションやエンターテイメント目的で使用するのと対照的だ。

これはAlibabaにとって、9月に行った巨額のIPOで同社が218億米ドルを調達し、アメリカ過去最大のIPOを記録して以来初の大きなイベントだった。

Alibabaに迫るライバル企業JD(京東商城)はこの日の早い段階で、2013年に自社が記録した日計額が本日午後12時49分までに打ち破られたと伝えた。しかしJDは、自社の顧客による丸1日の総売上を未だ発表していない(追記:元記事では、JDの数字には11月1日に始まったプロモーション分が含まれていると誤記されていた。これは現在は修正されている)。

使うために貯める

蘇州都市部の20代会社員Yue Hongさんは、この独身の日に、中国のほぼ全てのECサイト上で提供される圧倒的な割引を利用するために、大きな買い物をいくつか控えてきた。Yueさんは近々結婚する予定で、Tech in Asiaに対して、結婚式に先立ち、昨日6800元(1100米ドル)を使ったと話した。主な誘引は価格の安さだった。

しかし誰もがこんなに使うわけではない。Alibabaのデータによると、独身の日の平均注文額は33.50米ドルだった [1]

独身の日の前、Brian Lee氏(上海に住むビジネスマンで、中国で唯一、Elleから承認を受けハンドバッグを扱う)は、 11月以降オンライン販売額は80%落ち込んだと語った。これは、消費者が11月11日に行われる割引を待っていたためであるという。セールの24時間で上げた販売金額は昨年の総収入の15~20%を占めた。

中国のオンライン販売額は、販売額の面で2012年にアメリカのサイバーマンデーの実績を超えた。


  1. 総消費額(正確には総取扱額)を、物流会社と連携しているAlibabaのデータプラットフォームであるCaiNiaoに示された注文数で割って算出した。

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