インドネシアのTokopediaはいかにして第2のAlibaba(阿里巴巴)になれるか?

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昨日Tokopediaはインドネシアのスタートアップ史上最大の資金調達ラウンドの記録を樹立し、人々を驚かせた。ソフトバンクとSequoia Capitalから1億米ドルの資金を調達したというニュースが発表された直後、ジャカルタのソーシャルメディアはこぞってTokopediaに問い合わせやコメントを求め、同社にスポットライトが浴びせられた。

しかしこのビッグニュースには憶測の余地があり、インドネシアのテックシーンが直ちに確実に自問することが2つある。まず、これはインドネシアのインターネット市場が中国やインドに匹敵する成長を見せることを意味するのか。次に、ソフトバンクとSequoiaの目的は、Alibaba(阿里巴巴)のサクセスストーリーをTokopediaになぞらせようとしているのかという点だ。その問いに答えるには、いくつか検討するべき点がある。

Tokopediaのビジネスモデル多様化の可能性

現時点では、Tokopediaのビシネスモデルはコンシューマー・ツー・コンシューマー(C2C)に限られている。つまり一般消費者間の物品を売買するマーケットプレイスだ。これはEbayを抜き中国一のeコマースサイトとなったAlibabaのTaobao(淘宝)と同様のモデルだ。しかしAlibabaは、数年後には中規模ビシネスや有名ブランドに対しTmall(天猫)のローンチによってバーチャルストアをオープンできるようにし、ビシネス・ツー・コンシューマー(B2C)市場にビシネス領域を多様化させた。

B2Cのeコマースショップには間違いなく未来がある。私たちの多くは大企業や有名ブランドから物を買うからだ。このことはC2Cのショップのマーケットは最終的にニッチなサイズにまで縮小するということを意味しており、ちょうど先進国でのショッピングモール対家族経営の小規模店舗の関係に似ている。この現象は、すでに非常に成熟したeコマースマーケットである中国で起きている。Tmallの成長によってTaobaoが縮小しているのだ。B2Cサイトは、バーチャルショップのためにこのような開放的なプラットフォームを運営するeコマースサイトがより多くの売上、強力な収益力を得られるということを示しているとも言える。

短期的には、Tokopediaはインドネシア版Taobaoの座を狙えるだろう。Alexaは昨年、最も訪問されたウェブサイト世界トップ10の中にTaobaoの名を挙げた。数百万におよぶTaobaoの販売店が、7億6000万点の商品リストを公開した後のことだった。

しかし、TokopediaのCEO、William Tanuwijaya氏は自身のビジョンに従って会社の多角化を進め、できるだけ多くのバイヤーの役に立つよう開放したいようだ。結局、AlibabaのJack Ma(馬雲)氏に触発されたことで、TokopediaのマーケットプレイスにB2C(そしておそらくはB2B)オプションを組み込むか、あるいは企業向けに(Tmallのような)スピンオフサイトを立ち上げる、ということなのかもしれない。

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Tokopediaのグローバル展望

インドネシアは、2億5,000万人の人口を持つ世界第4位の人口大国で、インターネット普及率は20%程度である。Financial Timesによれば、群島からなるこの国におけるeコマースの売上は年に10~30億米ドルにおよぶと見積もられている。また同紙は、オンラインでの消費額は2015年末までに100億米ドルに達すると予測している(この予測についてはTokopediaが以前に公表していた)。それによれば、インドネシアのeコマース市場規模は急速に成長し、投資家にとってはアジアでもっとも有望な投資先になるとしている。このデータは非常に興味深いのだが、まずはインドネシアの市場を中国、インドのものと比べてみよう。

中国市場はその膨大な人口の47%にインターネットが普及している。中国のeコマース消費額は2015年までにAlibabaのTmallやAmazonといったサイトだけで3600億米ドルに達すると予想されている。KPMGは2020年には中国のローカルeコマース市場がアメリカ、イギリス、日本、ドイツ、そしてフランスを全て足し合わたものよりも大きくなると予想している。

インドの人口は12億人強で世界第2位である。インターネット普及率は現在約20%だ。eコマース市場は来年200億米ドルに達する予定で、これは同国の2013年の統計のほぼ倍である。KPMGとInternet and Mobile Association of India共同報告書によると、インドのeコマース市場は2020年までに500~700億米ドル程度になると予想されている。

インドネシアのローカル市場は相当の規模があるが、TokopediaがAlibabaやAmazonと肩を並べようと望むのなら自国以外の市場へ浸透するグローバル戦略を策定する必要がある。インドに拠点を置くSequoia Capitalと日本のソフトバンクをパートナーとして持つことはTokopediaにとって戦略的なアドバンテージである。なぜなら同社は新しい市場に進出し近隣諸国の規制を紐解くにあたって必ず手助けが必要だからだ。

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Sequoiaとソフトバンクがもたらす戦略的価値

SequoiaにとってTokopediaへの投資はインドネシア市場で最初のものとなった。

インドSequoiaのマネージングディレクターを務めるShailendra Singh氏は、声明の中で提携への熱意とSequoiaのインドネシア市場への参入への期待感を語った。Sequoiaは、Steve Jobs氏、PayPal創業者のほぼ全員、GoogleのLarry Page氏、YahooのDavid Filo氏とJerry Yang氏をはじめ、数多くの世界有数の起業家たちとの緊密な関係を高く評価されている。

eコマース業界でソフトバンクやSequoiaほどグローバルにリスクをとった勝負をかけられる企業を探すのは難しいだろう。Tanuwijaya氏は賢明に投資家を選んだのだ。Tanuwijaya氏はTech in Asiaに対して、Tokopediaが投資家を選ぶことができたのは幸運なことであったと語った。だが、1億米ドルの投資という点を差し引いても、Tokopediaは今Alibabaのような軌跡をたどる理想的なポジションにあると言える。これは注目に値することだ。ジャカルタ発の巨大企業が、インドネシア市場は見掛け倒しだという声を一蹴しようとしているのだ。

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Tokopediaの今後にとって鍵となるのは、ソフトバンクとSequoiaがともにAlibabaの起業当初から投資したということだ。Jack Ma氏に対する敬意を公言しているTanuwijaya氏はこう語った。「ソフトバンクとAlibaba間の緊密な関係と、両社がもつ世界で最も高い評価を受けるeコマース市場を構築した経験はTokopediaにとって計り知れないものになるでしょう」。

なぜSequoia Capitalが特にTokopediaにとって有利かを尋ねたところ、Tanuwijaya氏はApple、Yahoo、Google、Linkedin、Zappos、Airbnb、WhatsAppそしてInstagramの全てが世界クラスのプロダクトを届け、時代を築いてきたと説明する。彼らは、初期段階当時Sequoiaに支援されたからだ。

Tech in AsiaはTanuwijaya氏の意見に同調したい。新たに手を組んだこの3社がインドネシアのインターネット市場を成長させる起爆剤になるか、証明してくれることだろう。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】