新卒二年目でベクトルとマイクロアドの合弁ベンチャー「ニューステクノロジー」の取締役に就任、アドテクとコンテンツマーケティングの領域に挑む

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ニューステクノロジー取締役の西七海氏
ニューステクノロジー取締役の西七海氏

10月1日、マイクロアドとベクトルが共同出資により合弁会社「ニューステクノロジー」を設立した。同社は、アドテクノロジーとPRを融合した広告サービスの共同展開を開始している。



マイクロアドは、現在10ヶ国18拠点を展開している国内大手アドテクノロジー企業。同社はDSP「MicroAd BLADE」の販売を積極的に行っており、子会社マイクロアドデジタルサイネージによるサイネージ市場への参入、広告配信ネットワーク「MONOLITHS(モノリス)」の提供を行うなど、新たなデバイスへの対応も実施している。

またベクトルは10月30日から、戦略PRとアドテクノロジーを掛け合わせた情報発信をオンライン上で完結できるプラットフォーム「Native News Wire」の提供を始めており、ベクトルの子会社IR BANKはマイクロアドと共同で、個人投資家を配信対象とした IRサービス「インベスター・プレミアム・ターゲティング」を始めるなど、活発な動きが見られている。



ネイティブアドとコンテンツマーケティング

そんな両社の合弁会社、ニューステクノロジーが提供するのは、ネイティブアドとコンテンツマーケティングを組み合わせた商品「BLADE PR」だ。

これまではネイティブアドと呼ばれるものは、記事コンテンツの仕込みまでで終了だった。

「BLADE PR」では、提携している媒体にバナーを表示させるなど掲載したコンテンツへの誘導を行い、記事コンテンツに訪れたユーザがどのような行動をとったのかを分析し、レポートするところまで提供する。



BLADE PR

コンテンツマーケティングに知見があるベクトルと、国内最大級のアドネットワーク、ユーザデータを持つマイクロアドが提携することで、コンテンツとの相性が良い人に対してコンテンツを届け、行動を分析する仕組みを提供する。

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続々とプレイヤーが増えている新しい領域において、強みを持ち寄って取り組んでいく動きは興味深い。ニューステクノロジーの取締役に就任したのは、西七海氏だ。

マイクロアドに新卒で入社し、現在2年目。

元々、マイクロアド内でコンテンツマーケティング、ネイティブアドの領域を活かした新規事業に取り組むチームにいたという西氏は、新しい商品を取り扱いたいと考えていたところに、今回の人事決定があった。



経験豊富な経営陣の中に、新卒2年目の人間として参加していることについて、どう考えているのだろうか。



西氏「とにかく、自分なりの意見を提案するように心がけています。業界の知識や経験が劣るからこそ、臆することなくどんどん積極的に行動することが大切です。現場での活動量も求められているので、様々な経験ができることにも感謝しています。」



自ら立ち上げる起業という形ではないものの、会社の経営に携わっている西氏。話を伺っていると、意外なことにこれまでは起業しようというマインドや、会社を経営しようという考えは特になかったそうだ。

今回、会社全体を見ることになり、事業を作り出すところに関わるようになったことで、経験の幅が広がった。



西氏「これまではマイクロアドで営業の仕事をしていたのですが、取締役になってからは、意思決定の役割が自分になることも多く、会社の立ち上げ、事業の立ち上げを経験することで、今までとは違うものの見方や考え方ができるようになってきました。

まだ設立してわずかな時間しか経っていませんが、会社全体の数字や販管費などのコスト面を知ることで、広い視野で物事を考えるようにもなりましたね。」



会社のリソースを活用しながらの事業立ち上げ。さらに合弁となれば、自分で会社を立ち上げるのとは異なる面が多々ある。



西氏「ニューステクノロジーは合弁会社のため、両社のリソースを活用することができます。コミュニケーションに多少時間はかかりますが、一社のみで取り組むよりも事業を多角的な視点で形にすることができ、新しいことにも積極的に、一緒に挑戦できる環境です。また私個人としては、領域を横断して関わるようになったことで、これまでは見逃してしまっていた情報もキャッチできるようになりました。」


サイバーエージェントは先日、シロクの代表取締役社長である飯塚勇太氏が代表を務める学生が経営や事業立ち上げを経験するための子会社を設立していた。早い段階から企業経営、事業の立ち上げを経験することで成長し、さらに自社の領域にどっぷり浸かる前の他領域への抵抗が少ない状態で領域を横断するビジネスを経験することで、柔軟に吸収していくことができるのではないだろうか。



今後、こうした動きが出てくると若くして活躍する人材が登場し、結果として新たな動きが生まれていくことにつながるのではないかと考えるのだが、ニューステクノロジーのような事例が生まれるためには、どのようなことが必要になると西氏は考えているのか。

西氏「一個人としては社内でのアピールが重要だと思います。新しい技術やビジネスのことなど、社内のいろいろな部署の人に話を聞き、アンテナを張っておくことはとても大切です。社員としては結果を出し、自社のサービス改善点を常に考え、色々な人に話を聞くことで、機会を見逃さないようにすること。



会社に対しては、何か新しいことを始めるときに、社内に対して事前の“情報の可視化”を是非意識してほしいと思います。すべては難しいかもしれませんが、事前に共有してもらえれば、自分の能力が活かせないか、自分のアイデアを組み込めないかを考えることができますし、それらをこちらから提案する機会を作り出してほしいと思います。」



働く女性を応援しようという動きや、女性の起業家にスポットライトが当たる動きが見られるようになっている。「女性だからと選ぶのではなく、能力で評価してほしい」という意見も聞くことがある。だが、西氏は女性だから選ばれた、といった意見を気にしないという。女性であることでポジションに選ばれやすくなるのであれば、その利点は活かしたほうがいい、そう考えているそうだ。

西氏のように若くして経営に関わり、活躍する人材が登場することで、同世代の起業マインドやチャレンジ精神を刺激することになれば今後さらに活躍する人材は増えていくのではないだろうか。