「本田の描く広告の未来を実現する」ーー隠れたキーマンを調べるお・フリークアウト、溝口氏インタビュー

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

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国内屈指のDSP(Demand Side Platform)として名をはせるフリークアウト。創業からわずか3年半で東証マザーズに上場し、その勢いは増すばかりです。そのフリークアウトと言えばかつてブレイナーを創業し、ヤフーに売却した経験を持つ創業者の本田謙氏と、Googleなどを経て創業に参画したCOO(最高執行責任者)の佐藤裕介氏がよく知られています。

そんな同社の「隠れたキーマン」として今回ご紹介するのは溝口浩二氏。社内を横断的に動き、開発、企画、採用など幅広くカバーしながら本田、佐藤両氏を支える同氏にスポットライトをあててみました。

自分の「オッサン化」を感じ、約15年勤めたドワンゴを辞めフリークアウトへ

大柴:いよいよ上場ですね!(※インタビューは6月23日に行いました)

溝口:ありがとうございます!

大柴:創業から約3年半での上場ですが、溝口さんはいつ頃入社されたのですか?

溝口:2013年2月です。1年半くらいですね。

大柴:それ以前はどちらにいらしたのですか?

溝口:ドワンゴにいました。ドワンゴに1998年くらいから14、5年在籍していました。入社した頃のドワンゴは人数も5人くらいしかいなくて。まだ着メロとかやる前です。通信対戦システムを作っていました。自分もエンジニアとして開発をしていました。

大柴:それは凄いですね。どういう経緯で創業期のドワンゴに入られたのですか?

溝口:その前に所属してた会社とドワンゴが取引がありまして、その流れで。

大柴:なるほど。その頃のドワンゴってどんな感じだったんですか?

溝口:ゲームしてる人ばかりでした(笑)。

大柴:噂では聞いた事ありますが、やっぱりゲームしてる人が多かったんですね(笑)。

溝口:そうですね。自分もゲームは好きでしたし、インターネットも好きでした。ドワンゴに入社したのも「インターネットのサービスを作れるぞ!」というとこが大きかったですね。

大柴:なるほど。ドワンゴはその後携帯コンテンツ事業がヒットし、上場します。会社がどんどん大きくなっていく過程をずっと見ていたのですね。

溝口:はい。会社が大きくなるにつれて、コードを書く時間は減っていき、マネージメント業や経営企画、新規事業などに携わっていきました。いろんなことをやらせてもらいましたね。

大柴:創業期から15年近く勤めたドワンゴを辞め、スタートアップ企業であるフリークアウトに転職した理由って何ですか?

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溝口:そうですね。自分が「オッサン化」したんですよね。

大柴:「オッサン化」ですか?(笑)。僕は溝口さんと同じ歳なので気になりますね(笑)。

溝口:ゲームにも興味が無くなってきたし、ニコニコも「現象」としては興味深いし、面白かったのですが、本当の意味で興味が持てなくなっていったんです。

大柴:なるほど、とてもよくわかります。理論的に面白さが理解できても、心で「面白い」って理解できなくなってきているなぁと実感しています。SnapChatとか。

溝口:そうなんです。それともう一つ。また小さい会社に入ってビジネスをドライブさせていきたかったんです。ドワンゴの初期もやっぱり楽しかったんです。そしてビジネスが拡大し、会社も大きくなった。その過程って体験すると忘れられないというか。

大柴:なるほど。

溝口:開発のマネージメントやメディア側として広告も見てきたし、その経験スキルで貢献できるのではないかと思って転職しました。

大柴:フリークアウト以外にも選択肢はあったと思いますが?

溝口:単純にRTBって面白そうだなって思ったんです。広告主様が出稿をし、自分達が良いサービスを作れば、ダイレクトに広告主様の利益に貢献できる。そういうところも心惹かれました。BtoBtoCのサービスなので、今までやってきたtoCのサービスの経験も生きるだろうし。

大柴:なるほど。それらの理由から同社を選ばれたわけですね。

本田の描く広告の未来を実現するために集結したプロ集団

大柴:オフィスとかとても個性的ですね。

溝口:そうですね。本田の趣向を反映した感じですね。本田自らがデザインチェックなどをしていました。

大柴:昔からドラムセットはありましたが、それだけでなく、バスケットコートもありますね。すごい。オフィスからもわかりますが、本田さんは個性的で面白そうな方ですね。実際どんな方なのですか?

溝口:突然ピアノを弾きだしたり、ふらっとデスクにやってきたりと自由な人です(笑)。あと、新しいものを思いついたら実行したい人ですね。そしていろいろ思いつくんです(笑)。創業者タイプというか。ドワンゴの時の川上さん(代表取締役会長の川上量生氏)もそうですが、アイデアが豊富な起業家です。自分はその社長のアイデアを「どこにはめるか」って考えて動いています。

大柴:なるほど。

溝口:本田の描く世界の実現と、数値の達成を両方実現するためにやれることを全部やってる感じです。

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大柴:本田さんと並ぶキーマンである佐藤さんはどんな方ですか?

溝口:おさえるべきポイントをわかっている人ですね。ポイントに対して集中する能力がすごいです。本田がプロダクトアウト的な発想でアイデアを出し、佐藤がそれをマーケットイン的な考えで調整する。世の中の流れをつかんでフォーカスさせる。それが佐藤です。本田はエンジニア出身で今でも社内のリソースが足りない時などにはコードを書くこともあります。佐藤も開発の事に熟知しているので話が通じるんです。

大柴:なるほど。そこがスムーズに進むから急成長できたのかもしれませんね。

溝口:技術面では明石(執行役員の明石信之氏)が入社し、さらに強くなりました。本田、佐藤、明石、CFOの横山(横山幸太郎氏)の4人がそれぞれ違う視点から広告ビジネスを見ていて、せめぎあいながら本田の描く広告の世界の実現を目指して議論し、意思決定しています。

大柴:さて、フリークアウトは上場し、新たなステージに向かうわけですが、溝口さんは二度目の上場経験ということになりますね。

溝口:そうですね。ドワンゴで上場を経験し、変化した部分も変化しなかった部分も見ています。ただ基本的にはこれまでと変わらずに粛々とやるだけですよね。上場し、社会的認知度が向上するので採用面では期待しています。

大柴:溝口さんはエンジニアの採用にも深く関わっていますが、どんなエンジニアと一緒に仕事したいですか?

溝口:まともなコードが書けるのは最低限で、それプラスでビジネス自体に興味を持ってる人がいいですね。ビジネスに興味を持って欲しい。あとは自分が作ったプロダクトで世の中にインパクトを与えたいと考えてる人。そういう人がいいですね。

大柴:なるほど。それでは最後に溝口さんの今後の野望というか夢というか、そういったところを伺えたらと。

溝口:自分もエンジニアなので、オープンソースなどのエンジニアコミュニティでの活動をしてみたいなとは思います。引退後でいいですが(笑)。今は本田さんの描く未来を実現したいです。それが実現するとすごく面白いと思うんですよね。時代が追いついてないんですよね、本田さんに。

大柴:どんな広告の未来がくるか楽しみです!今日はありがとうございました。