米宇宙観光スタートアップ World Viewのパラフォイルが、高度10万2000フィートに到達

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想像してみてほしい。あなたを含め8人の乗客がパラフォイル(翼のついた大きな飛行船)の客室に腰を下ろし、サッカー競技場を飲み込むほどの大きさがある気球の足元で揺られているところを。それも地上10万2000フィート上空でだ。

そんな空想は遠い未来のもののように思えるだろうが、意外と先の話ではないかもしれない。昨日(編集部注:原文掲載2月21日)、World Viewという企業が行った試験フライトによって、こんな光景が来年末には実現する可能性が出てきた。

World Viewは宇宙観光事業を営んでおり、2016年末までに1回につき7万5000米ドルで乗客を乗せたパラフォイルを宇宙の彼方へと飛行させたいとしている。だが同社はまず、同社自身、当局、乗客、そしてその他の人々に対して、そこまでの高度へと人々を安全に送り出すことができること、到達したそのスペースで乗客が1~2時間過ごせるということ、そして目指す到着地点へと無事戻ってこれるということを証明しなければならない。

だからこそ、金曜日に行われた試験フライトは大変重要な一歩であると、World ViewのチーフエンジニアであるSebastian Padilla氏は述べた。

World Viewは独自のパラフォイルシステムを開発してきた。地上に戻る際に荷重がかかった状態での飛行制御を可能にするためのものだ。パラフォイルとは基本的に長方形のパラシュートであり、カーゴの上に取り付けられて飛行する。パラフォイルがなければ、科学的な実験であれ乗客を載せた状態であれ、地上にきちんと戻るよう導くことはできないだろう。しかしパラフォイルがあれば、特定の場所に向かって緩やかに降下することができる。

これまでパラフォイルの飛行高度の世界記録は約5万フィートだったとPadilla氏はVentureBeatに語った。しかし、WorldViewは金曜日の朝、同社のパラフォイルを10万2200フィートに到達させた。そのパラフォイルは気球の上に設置され、モンタナ州立大学とノースフロリダ大学の研究者から提供された実験用荷重が取り付けられていた。

だがこのフライトは世界記録の樹立以上の意味を持っていた。Padilla氏は次のように語っている。「フライトは非常に重要なものでした。一昨日までは、あのような高度からパラフォイルを飛ばせるかさえ定かではありませんでした。ですから、『初の試みで成功できるのか?』と誰もが思っていたはずです」。

気球はアリゾナ州ツーソン北部にある空港から打ち上げた。Padilla氏によると、パラフォイルは200~300平方フィートほどの広さがあったという。しかし、8人の人間(乗客6人と正副パイロット1人ずつ)をカプセルに乗せて問題なく運ぶためには、気球自体の大きさは1500万立方フィートの容量がなければならない。フットボールスタジアムをすっぽり覆うほどの大きさだ。そして、パラフォイルは約2000~3000平方フィートの大きさが必要になる。

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World Viewは乗客を宇宙へと連れて行こうとしているが、Virgin Galacticのような企業の直接的な競合にはならないと考えている。Virgin Galacticは1座席あたり25万米ドルで、乗客に宇宙空間への短時間フライトを提供しようと計画している。Padilla氏によると、彼らとの違いはVirgin Galacticの乗客は小さなロケットで宇宙空間に入った後、約5分間の無重力体験を得るのに対して、World Viewはまず高度10万フィートに達するまで90分間飛行し、その高度に2~3時間滞在した後、少なくとも30分かけて降下する。

Virgin Galacticは乗客を乗せたフライトを今年中に開始したいと考えていたが、昨秋の重大な事故により、その計画は大幅に後退した。その点に関して、World Viewは「2016年の終わりまでに、人々を宇宙の端まで連れて行くフライトを開始することを目指しています」とPadilla氏は述べた。「かなり強気なスケジュールです。強気のスケジュールで進めるのは良いことです。強気すぎるかもしれませんが……安全なものになれば、実行するつもりです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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