新経済サミット〜日米のロボティクス・スタートアップが語る、ロボットが変える未来社会の姿 #NES2015

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これは、新経済サミット2015 の取材の一部だ。

ここ東京で開催された新経済サミットの1日目、午後のパネル・セッションでは、「ロボットが変える未来」と題して、ロボット活用の最新状況と、未来の社会はがロボットの活用でどう変わっていくのか、が論じられた。このセッションには Grabit CEO Charlie Duncheon 氏、ispace 代表の袴田武史氏の2人が登壇し、モデレータはランサーズ CEO の秋好陽介氏が務めた。

Grabit は静電気を利用したグリッパーを開発し、これを利用して、従来は手作業でしか対応ができなかった 布や PCB など薄地の物体の持ち運びを自動化する、産業向けのロボティクス・テクノロジーを開発している。立体的なものも運べるので、ドローンを用いた商品のデリバリにも応用できるそうだ。

ispace は、月面探査を手がけるスタートアップで、宇宙で人間が生活できる環境の構築を目指して、人間が立ち入れない場所にアクセスできるロボットを開発している。アメリカでは、政府ではなく民間が行う宇宙事業として「NewSpace」という言葉が使われるようになりつつあるが、ispace はまさに NewSpace に参入するスタートアップだ。月面無人探査を競うコンテスト「Google Lunar XPRIZE」に参加しており、世界6社のうち、日本からは唯一 Milestone Prizes(中間賞)を受賞している。

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Dancheon 氏がいる産業ロボットの観点からは、ロボットは生活水準を向上させ、労働生産性を上げるものだ、との見方を示した。ロボットが人間の労働機会を取り上げてしまう懸念は無いのか、との秋好氏の質問に対して、これまでの歴史が証明しているとして、次のような例を示した。

Silicon Valley Robotics が2013年に調査したところでは、自動車産業だけでも15万人分の職を作り出しことがわかった。

中国の生産受託会社などでも、働いている人たちに精神的な障害をもたらしたりする。そういう職業がをロボットが取って代わることで、職場環境を健康にするだろう。(Dancheon 氏)

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Singularity Point(ロボットが人間を超えるポイント)に差し掛かろうとする今、人間がロボットと共生できるのか、という質問に対して、袴田氏は次のように答えた。

最終的には共生できるだろうが、導入時には問題も生じるだろう。特に、日本人は、ドラえもんや鉄腕アトムのイメージがあるので、何でもできるロボットを考えがちだ。

セルフドライビングカーなど、安全が十分に担保される必要があるが、最終的な判断は人間がすることになるだろう。人間の仮説の範囲を超えて発展してきているのは事実だが、アシモフのロボット工学三原則を守っていくべきだろう。(袴田氏)

昨今、東大発のロボティクス・スタートアップ SCHAFT が Google に買収されたり、Google が東大生を物色したりしているとの報道があり、日本からロボティクスに精通した技術人材の海外流出について懸念が高まっている。この点について、袴田氏は、ロボティクス・スタートアップが資金調達をする上で、日本には技術の目利きが少なく、ロボティクス産業に対するリスクマネーが少ないことを指摘。

一方、Dancheon 氏は日本がロボティクス分野で世界をリードしているのは間違いなく、ロボットの応用範囲や信頼性を担保する上で非常に経験を積んでいることは大きなアドバンテージだとし、ロボティクス分野に挑んでいる日本の起業家や起業家志望者を激励した。

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