「デザイナーからエンジニアまで組織でUXを考える文化づくりを」freee関口氏が語るUXを実践するための環境づくり[Lean UX Japan Conference 2015]

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Image by loftwork on flickr
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4月11日、『LEAN UX Japan Conference 2015~LEAN UXが拓く未来~』が開催された。「LEAN UXについて考える1日」をテーマにした同カンファレンスは、日本でLEAN UXを実践・普及させることを目的としたイベントで、Lean UXとその概念であるLean Startupの思想を学び、育てることを重視している。

同カンファレンスを企画しているLean UX Circle主宰でコンセント社に勤める坂田一倫氏は「一つの機能としてのUIという枠にとらわれず、ユーザに体験を提供すうUXを考えるためには、デザイナーやエンジニアという壁を越え、あらゆる個人が共創し、組織全体で課題開発を図っていく。さらに、チームからの学びを通じて作り上げていく組織文化こそが、UXを実現する大きな要素。Lean UXを組織に導入するにあたっての課題解決に向けたヒントやグロースハック、デザインスプリントなどを紹介していく」と語った。

カンファレンスでは、「実践と実現」、「開拓と発見」、「創造と共創」の全3部で講演が行われた。ここでは、「実践と実現」をテーマに、freeeの関口聡介氏が語る「「壊して創る」成長しつづけるプロダクトと組織の中での UX の在り方」のセッションをまとめる。

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2013年3月にリリースしたfreee。約2年の間にクラウド会計市場におけるシェアを拡大し、社員数も80人を超えるまでの組織になってきた。それだけの急成長を続ける組織のなかで、ユーザに対して価値あるものを提供し続けるためにも、組織文化づくりは欠かせない。そこで、20人規模になった頃から、スタートアップ時のフラットな組織から本格的なチーム運用を始めたという。

実は、関口氏がfreeeに入ったのは2014年2月。それまで、社内にはデザイナーがおらず、UIやUXを決めるのもエンジニアの仕事であったこともあり、定義にばらつきがあった。そうした小さな違いが意思決定や細かな部分における整合性が合わないという課題を抱えていたのだ。

「人が増えると、個々人の価値観やモチベーションにばらつきがあり、方向性を見失いがちになります。だからこそ、クレドのような社内での価値基準を設け、その価値基準に見合った行動の人を表彰したり社内イベントを積極的に行うなど社内での文化を作ることが大切なのです」(関口氏)

関口氏は、開発の中でUXは重要視されにくいと考えがちだが、実はUXを取り巻く環境そのものがUXであり、経営陣や組織づくりをする人がUXを会社としての要素として重要なものだという発信をするべきだ、と指摘。ユーザにより良い体験を提供してもらうための細部の調整のためには、製品とそれに関わるすべての体験が求めラエル。だからこそ、一デザイナーだけがUXを考えるのではなく、組織全体としての向かうべき提供すべきUXを考え、浸透させることが結果としてプロダクト全体のブランディングにもつながるしユーザのロイヤリティを獲得する最大の要因だと語る。

「現在、freeeはエンジニア50名に対してUXデザイナーは2名しかおらず、リソース不足によって作業効率に摩擦が生じていました。だからこそ、UXをデザイナーだけで考えるのではなく、デザイナー、エンジニア全員で行う意識をしていかなければいけません。デザインの考えを属人化を避け文化として築くことで、サービスにおけるUX開発のベーシックな部分は機能を開発するエンジニア自身で行うことができます。UXについてあらゆる人が考えるようになれば、自然とデザインの精度が上がり、無駄な修正も減らすことができます」(関口氏)

UXデザイナーとしての機能は、技術的なスキルのみならず組織のメンバー同士のコミュニケーションや意思疎通を図り、すべてのメンバーやUXを考える習慣を持てるようにすることによってユーザにとってより良い体験を提供するための場をつくることだ。

エンドユーザに向けた体験を提供するためにも、組織づくりに立ち返る。組織の中の振る舞いこそが、トータルのUXデザインを行うサービス全体への大きな影響力を持つものだと自覚すべきだろう。