国内外で盛り上がる課金決済、次の一手とは

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BraintreeとPayPalが提供するOne Touch

<ピックアップ>PayPal’s vision for the future of digital payments

国内外含めて課金決済周辺の盛り上がりを改めて感じております。

思えばモバイルペイメントの改革者としてSquareが登場したのが2009年初頭。そこから約3年後の2012年に国内組のコイニーが立ち上がり、大手を含めモバイル「スワイプ」決済市場が盛り上がったのは記憶に新しいと思います。

2014年に入るとフォーカスは端末からサービスモデルの方に移り、2014年に国内でも公開されたメタップスのSPIKEは手数料無料という戦略を打ち出しましたし、開発者向けのツールとして2013年に創業したウェブペイは今年になってLINEに買収され、同社のライフスタイルプラットフォームのビジネスモデルの中心的な存在になっています。

BASESTORES.jpのようなインスタントコマースがそれぞれ購買の方向性から決済ビジネスに向けてのアプローチを示しているのも興味深いところです。

そんな状況でもやはり王者はPayPalです。綺羅星のごとき起業家、投資家を生み出したことでも有名ですが、もちろんサービスとしても健在、ここ最近では親会社eBayからの分社化計画が進行中で、その戦略についての考察がVentureBeatに掲載されておりました。

参考記事:公式発表/Paypalが2015年に米Ebayからスピンオフへ

記事では同社の戦略を大きく「One Touch(Amazonのワンクリックのような決済手段)」「個人間送金アプリVenmoの役割」「ミレニアルズ(1980年代以降)世代へのフォーカス」という三つの項目で分析していました。特に子会社Brain-Treeが進めるOne Touch、個人間送金のVenmo共にモバイルが強く意識されており、特にVenmoは若い世代にも人気の送金アプリとなっているようです。

Venmo also has a reputation for being popular among millennials. PayPal won’t reveal how many users Venmo has, but the peer-to-peer app saw a total payment volume of $2.4 billion in 2014.
Venmoもまたミレニアルズの間で人気を獲得した。PayPalはVenmoのユーザー数を公表していないが、このP2P(個人間送金)アプリの送金ボリュームは2014年時点で24億ドル規模を見込んでいた。

国内外共にこのモバイル志向とAmazonが確立した「ワンクリック」(課金や決済コストが異常に安い世界観、つまりはIDの取得)は大きなトレンドであり、各社この方向性を狙っているのはよくわかります。VBが特に触れているミレニアルズ世代へのフォーカスというのも、この決済手段に慣れた層をいち早く確実にゲットするということなのでしょう。

ここ最近では競合となるStripeが50億ドルの評価で資金調達に成功したり、やはりこちらも決済プラットフォームのWePayが4000万ドルを調達するなど、同時多発的にこの分野が動いていることがわかります。世界的なスマートフォン、モバイルシフトが起こる中、課金決済の分野で絶対的な地位を獲得するのはどの会社になるのでしょうか。興味深いです。

via VentureBeat

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