バックエンド自動化APIのMilkcocoaがバージョンアップ、IoT/M2Mとの親和性やユーザ認証連携機能を強化

SHARE:

milkcocoa_featuredimage

昨秋、福岡出身のスタートアップ Technical Rockstars の手がける Milkcocoa という API を取り上げた。フロントエンドを構成する HTML の中にスクリプトタグを1行追加するだけで、サーバ環境などバックエンドの制御を自動化できるプラットフォームだ。フロントエンドを作るだけで一杯一杯、バックエンドを切り盛りするリソースなんて割けない、というスタートアップや SI には重宝するしくみと言える。

Technical Rockstars は今日、Milkcocoa のバージョンアップを行い、3つの機能追加を実施したと発表した。JSON Web Token (JWT) 対応、MQTT (MQ Telemetry Transport)プロトコルの対応、Node.js SDK の正式対応だ。

JSON Web Token の対応により、Auth0 や AuthRocket など認証サービスを通じて Facebook ログインや Twitter ログイン、企業の社員認証システムなど、ユーザ認証に関わる連携ロジックを自らコーディングする必要が無くなり、安全を担保した状態で Milkcocoa に機能を外出しすることができる。

MQTT プロトコルは、M2M (machine-to-machine)ネットワークや IoT 分野で多様されており、他の通信プロトコルに比べ軽量であるため、CPU や通信モジュール、ネットワークへの負荷が小さく、低消費電力で多くの接続に対応できることが特長だ。従来の Milkcocoa では HTTP と WebSocket を使う必要があった。また、今回、Node.js SDK が正式にサポートされたことにより、Raspberry PI や Edison といった IoT フレームワークが Milkcocoa に連携するための手順も簡素化され、信頼性の高いものになる。

もともと Milkcocoa は、フロントエンド・エンジニアがバックエンドのことを気にせずにウェブシステムを構築できるようにするのがコンセプトだった(NoBackend 開発)。今回のバージョンアップにより、Milkcocoa は、ハードウェア・エンジニアや IoT 基盤のソフトウェア・エンジニアがクラウド側のことを気にせず、IoT やハードウェア側の開発に没頭できる環境を創り出してくれる。

IPA認定のスーパークリエータで、Technical Rockstars CEO の部谷修平(ひや・しゅうへい)氏が、今回のバージョンアップに含めた思いを寄せてくれた。

WebサービスやIoT向けのサービスにしても、初心者の人でもSNS認証やサーバの設定などで詰まることなく、どんどんサービスを提供していってほしいです。

Technical Rockstars の開発チームは持ち回りで、今年3月から Gihyo.jp に Milkcocoa を使ったユースケースについて連載を始めている。同時接続数の制限を除けば、Milkcocoa フリーミアム版で十分に機能を試すことができるので、興味を持った読者におかれては、この連載を参考に触ってみるとよいかもしれない。

Technical Rockstars では今後、Milkcocoa 有料版の正式提供、Android や iOS 向けのSDK、管理画面でのデータの可視化機能の実装などを提供したいとしている。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録